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<安倍首相>北朝鮮問題を前面に 国連演説、埋没懸念で

毎日新聞 9月22日(木)20時22分配信

 【ニューヨーク高本耕太】安倍晋三首相は21日午後(日本時間22日未明)、国連総会で一般討論演説を行った。歴代首相で最多となる4回目の国連総会出席は、核実験と弾道ミサイル発射を繰り返す北朝鮮への非難と制裁強化に向け国際社会の結束を求める場となった。背景には難民問題などグローバルな課題が山積するなかで、北朝鮮問題が埋没しかねないという危機感があった。

 「北朝鮮は、平和に対する公然たる脅威として我々の正面に現れた」。一般討論演説で、首相は冒頭から北朝鮮を名指しで批判。約15分間の演説の半分以上を北朝鮮問題に割いた。政策理念が中心だった過去の演説とは異なり、「SLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)」「1000キロを飛翔(ひしょう)」など北朝鮮による挑発行為の詳細に言及し、差し迫った脅威であることを訴えた。

 同行筋は「北朝鮮問題を最初に持ってきたこと自体が強いメッセージだ」と解説。「今回の訪米で首相が重視するのは、何においても北朝鮮問題で各国と危機感を共有することだ」と語った。

 首相は国連日程の合間に各国首脳とも精力的に会談を重ね「北朝鮮の脅威が新たな次元に達した」と訴えた。20日の潘基文(バン・キムン)国連事務総長との会談では、「北朝鮮の暴挙は国連の存在意義への挑戦。(北朝鮮対応で)強いリーダーシップを求めたい」と厳しい表現で迫った。

 ただ、今回の国連総会に集った各国首脳の関心は、100万人超とされる中東・北アフリカからの難民問題や、シリア情勢、環境問題など多岐にわたった。北朝鮮制裁決議の採択を目指す安保理の現場でも、シリア停戦継続を巡り米国とロシアとの間で非難の応酬になるなど、北朝鮮問題が後ろに追いやられかねない状況だった。

 首相は21日のバイデン米副大統領との会談で「現行の国際秩序はさまざまな挑戦に直面している」と指摘。多方面の課題の対応に追われる米国に配慮も見せた。北朝鮮問題で「安保理の議論を先導する」と語る首相の外交手腕が問われる局面が続くことになりそうだ。

最終更新:9月23日(金)10時32分

毎日新聞