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高畑裕太 不起訴の背景と弁護人コメントを探る 「行列」北村晴男弁護士が分析

デイリースポーツ 9/22(木) 16:39配信

 俳優の高畑裕太(23)が強姦致傷容疑で逮捕されたが不起訴となり、釈放された。高畑側と被害者側で話し合い、示談が成立したとみられる。高畑側の弁護人は釈放時、コメントを発表し「合意があるものと思っていた可能性が高い」「違法性の顕著な悪質な事件ではなかったし、仮に起訴されていれば無罪を主張したと思われる」などと“えん罪”を訴えるかのような内容で大きな注目を集めた。日本テレビ「行列のできる法律相談所」に出演する北村晴男弁護士に事件のてんまつを読み解いてもらった。

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 高畑が不起訴となったことについて北村弁護士は、検察にとって望ましい展開となったのではと分析した。その理由は、検察としては強姦行為について客観面も主観面も立証のハードルが高いと思われるからだ。

 なぜ立証が困難なのか。第1に女性のケガが加療1週間の打撲と極めて軽傷だったこと。本気で抵抗し、男がそれをさらに上回る暴力で封じれば軽傷では済まない可能性が高い。第2に本気で抵抗したなら同じフロアの客に悲鳴が聞こえる可能性が高いがそのような証言は現在まで報道されていないこと。第3に高畑が群馬県警に逮捕されるまで寝ていたとされること。強姦行為を働いたら被害者が警察に通報し、逮捕されることは誰でも予想し、不安にさいなまれる。にもかかわらずそこで寝ているとは考えにくく、つまり高畑としては「強姦」という意識ではなく合意があったと思っていた可能性がある。第4に、女性が部屋を出てただちに警察に通報していないこと。女性からの話を聞いて知人男性が通報しているが、その場合、伝言ゲーム特有の誤りや男性の意図が介入する可能性もある。

 強姦行為について高畑が「犯意はなかった」と主張すれば、弁護人としては以上のように複数の点から起訴内容を争うことができるという。検察としては防戦に追われることが予想でき、示談が成立し、極めて軽傷であることを理由に容疑を強姦致傷から親告罪の強姦に落とす。その上で不起訴とするのが望ましい展開だったと考えられる。

 また、高畑の弁護人が「無罪を主張した」とコメントしたことから、「それなら実際に裁判で戦って無罪を勝ち取ればいい」との意見もある。これについて北村弁護士は「裁判はそんな甘いものじゃない。100%勝てる裁判というのはない。そんなリスクは冒せない」と一蹴した。

 北村弁護士はまた、高畑の弁護人があのコメントを出したという事実は「非常に重要」と指摘。通常、事実に争いのある事件では示談において被害者側と加害者側の双方が事件について何も言わないとする守秘条項を入れる。これを入れなければ加害者側の説明で被害者側の名誉が著しく害されるからだ。

 しかし、それを入れずに示談が成立したということは、被害者側が「守秘条項を入れなければ示談しない」と強気でのぞむことができる事件ではなかった可能性がある。北村弁護士は「被害者側が譲ったことには大きな意味がある」と指摘した。

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北村晴男(きたむら・はるお) 弁護士。長野県出身。日本テレビ系「行列のできる法律相談所」にレギュラー出演。趣味はゴルフ、野球。月2回スポーツなど幅広いテーマでメールマガジン「言いすぎか!!弁護士北村晴男 本音を語る(まぐまぐ)」を配信中。

最終更新:9/22(木) 19:43

デイリースポーツ