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日銀 量から金利へ、苦肉の策

産経新聞 9月22日(木)7時55分配信

 日銀が金融政策の枠組みを「量」から「金利」へ修正したのは、「現実路線」への転換といえる。1~2年で市場に出回る国債が枯渇する恐れがある中、円高が進んだ場合などに備えて金融機関の収益をできるだけ悪化させずにマイナス金利を深掘りできる態勢を整えた。だが、年80兆円の国債購入量を減らした場合、緩和の縮小と受けとられる恐れもある。

 現在、日銀は発行額の3分の1超の国債を買い占めている。日銀は今回の枠組み修正で、将来的に緩和手段が手詰まりとなるリスクを未然に防ぐことにした。

 さらに「総括的な検証」ではマイナス金利の悪影響も詳しく解説。国債の大量購入とマイナス金利の組み合わせで長い期間の国債利回りが予想を超えて低下してしまい、国債で資金を運用する金融機関の収益が悪化して金融仲介機能を低下させる恐れがあると指摘した。

 日銀には今回、「量」へのこだわりを捨て去ることで、長い期間の国債の買い入れ量を減らして金利を調整し、こうした「副作用」を少なくする狙いもある。

 しかし、市場からは「量的緩和の限界を公に認められず、枠組み変更でごまかした苦肉の策」(証券系エコノミスト)との厳しい見方も出ている。今後も日銀の国債保有残高は増え続けるものの、日銀幹部は、新たに買い入れる国債を年80兆円から少しずつ減らす可能性を認める。

 日銀の黒田東彦総裁は21日の記者会見で、枠組みの修正は「テーパリング(緩和縮小)ではない」と強調した。だが、国債買い入れ量が減れば、市場は緩和縮小とみなし、金利が急変動する懸念は否めない。

 一方、消費者物価指数は5カ月連続で前年割れし、2%の物価目標達成が見通せなくなっているにもかかわらず、日銀は今回、追加緩和カードを温存した。

 米国の利上げや英国の欧州連合(EU)離脱交渉など世界経済の先行きが見えにくくなる中、過度な円高が進んだ場合に備えて次回以降に選択肢を残す道を選んだ形だ。(藤原章裕)

最終更新:9月22日(木)7時55分

産経新聞

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