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【外信コラム】テロが日常のニューヨークで欠かせない“無視する”処世術

産経新聞 9月22日(木)15時17分配信

 ニューヨークで17日に爆発が起きた場所は自宅アパートから歩いて15分という近さだった。発生から2日後の夜、周辺道路の規制が解除されたので現場を見に行くと、事件の傷痕が生々しかった。双方通行の幅広い道路を挟み反対側の建物の窓ガラスまで割れていたので、爆発は相当の大きさだったのだろう。

 周辺には日頃利用しているスーパーもあるし、お気に入りのコーヒー店もある。爆発があった日の昼間にも、その辺りに買い物に出かけていた。ニューヨークに来て4カ月がたったが、「日常」の場所がテロの標的となり、初めて「恐れる」ことを体験した。

 一方、周りのニューヨークの人たちは極めて冷静だ。爆発の直後にもかかわらず、現場からわずか2ブロック離れた場所のレストランではテラス席でお酒を飲み、週末の夜を楽しむ人たちであふれていた。「私たちはトラブルや怖さを無視することに慣れているのよ。街中にいるホームレスを毎日、無視して過ごしているし、全てに関心を払っていたら精神的に参ってしまう」とは友人の弁。

 ともあれ、必要以上に騒がない姿勢は立派だと思う。各国の首脳らが集う国連総会の真っ最中で、街は重厚な警備隊であふれる。銃を持った警察官の姿が、これほど心強くなる日がくるとは思わなかった。(上塚真由)

最終更新:9月22日(木)15時17分

産経新聞