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(朝鮮日報日本語版) 【社説】韓国全土の断層調査、国民の生命を後回しにするな

朝鮮日報日本語版 9月22日(木)10時55分配信

 21日昼、慶尚北道慶州市でマグニチュード(M)3.5の余震が発生した。12日に最初の地震が発生してから十日間で慶州一帯の余震は400回を超えた。昨年1年間の地震44回の約10倍だ。21日の余震を受けて、慶州地域では多くの学校が校庭で児童・生徒たちに給食を食べさせた。お年寄りや妊産婦の中には、ほかの地域に住む親族の家に避難するケースもあるという。同市の月城原発6基のうち4基は12日以降、稼働を中断している状態だ。釜山市機張郡の古里原発は非常レベルでB級(警戒)のままになっている。政府は同日、慶州一帯を特別災害地域に指定することにした。来年からは2階建て以上の新築建築物については耐震設計を義務付けるよう建築法を改正することも決めた。

 地震に対する不安をこのまま放っておくわけにはいかない。確実な対策は建物・施設について完ぺきに耐震施工をすることだ。しかし、すべての建物・設備をどんな地震にも対応できるように補強するのは不可能であり、その必要もない。どの地域が地震に弱いのか、どの程度の強さの地震が発生する可能性があるのかを科学的に判断してこそ、合理的な地震の備えができる。

 慶州一帯の連続地震は、慶尚北道盈徳郡から釜山市まで170キロメートル続く梁山断層が原因になっている可能性が高いという。慶尚南道・慶尚北道地域には梁山断層のほかにも蔚山断層や東莱断層など複数の断層がある。1983年にある韓国の研究者が「梁山断層は活断層だ」という説を初めて唱えた。だが、今も梁山断層が活断層なのかどうかは結論付けられていない。政府は断層を詳しく調査することもなく慶尚南道・慶尚北道・釜山市一帯に原発を14基も集中的に建設してきた。

 1995年阪神淡路大震災、1999年の台湾921(集集)地震、2008年の中国・四川大地震発生後、各国政府はまず震源地付近を試錐(しすい=地質調査などのため穴を掘ること)し、地震検知センサーをつけて岩石サンプルを採取・精密分析した。日本は数十キロメートル間隔の高感度地震観測網を完成させた。そうしてごく小さな地震まで観測しなければ活断層の位置や形状を正確に確認できない。地下の圧力やラドンガスの流れを分析すれば、差し迫る地震を予測することもできる。韓国も慶州市の震源地を対象に、試錐分析から始めなければならない。50億-100億ウォン(約4億5000万-9億円)あれば可能な調査だという。

 地質資源研究院の主導で20億ウォン(約1億8000万円)かけて12年に作成した断層調査報告書は、あまりにもずさんで廃棄された。その金額で韓国全土の断層地図を作成すること自体、無理だった。国民安全処(省庁の一つ)は昨年3月に地震専門家十数人に依頼し、断層調査のための25年間にわたるロードマップを作成した。最初の5年間で梁山断層一帯を、その後の20年間は4段階に分けて全国の断層構造を調査するというものだ。25年間の調査にかかる費用は1000億ウォン(約90億円)と予想された。だが、そのロードマップもどういう理由からかは分からないが放置されている。

 全国を対象とする調査に今すぐ着手するのが時間・費用面で無理だというなら、まずは連続地震が発生していて原発が密集している梁山断層周辺の精密な調査から始めるべきだ。どれくらい危険なのか分からなければ、どの建物・施設をどのように補強し、どれだけ費用をかけ、どんな対策を実施しなければならないかが判断できない。

最終更新:9月22日(木)10時55分

朝鮮日報日本語版