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台風11号から1カ月 小麦播種 大幅に遅れ 天候不順 畑に入れず 北海道

日本農業新聞 9月22日(木)7時0分配信

 北海道オホーツク地方を中心に、台風11号が甚大な被害をもたらしてから、21日で1カ月たった。河川の氾濫により冠水した畑のタマネギやジャガイモ、テンサイは壊滅的で、収穫はほとんど望めない。小麦の播種(はしゅ)適期を迎えるが、台風後も天候不良が続いて作業は大幅に遅れている。小麦がまけなければさらに減収となるため、農家は焦りを募らせている。

 北海道は今年四つの台風に襲われ、11号は二つ目の台風。北海道北見市常呂町。(有)ひかりでは、経営面積130ヘクタールのうち、収穫後の小麦畑を含めて100ヘクタールが圃場(ほじょう)の流失や、タマネギ、テンサイの冠水被害を受けた。冠水した畑では4日間ほど水が引かなかった上、以降も雨により圃場に水が残る状態が継続。湿害を受け、収穫できないほど腐敗したという。

 同法人の清井俊幸専務は「住宅も浸水して、生活も危うい。復旧はほぼ手付かずだ」と強調する。川を広くしたり、堤防を高くしたりするなど、恒久的な対策を求める。現在は、被害を逃れたタマネギ90アール分の収穫を急いでいる。

 JAところによると、小麦収穫後の圃場を含めて、農地の被害面積は1663ヘクタールと、JA管内の作付面積の3割にも及んだ。このうち、収穫前のジャガイモやタマネギ、テンサイなど畑作物の被害は1029ヘクタール。冠水や浸水した農作物は、ほとんどが腐敗し、収穫できないという。

 作業の遅れも深刻化している。同地方ではジャガイモ収穫後の圃場に小麦をまくのが一般的な輪作体系で、9月下旬は例年、小麦の播種が最盛期を迎えている。JAところやJAきたみらい管内では、収穫作業が最大2週間ほど遅れており、小麦の作業への影響が出ている。

 同地方置戸町の農事組合法人・勝山グリーンファームは、2017年産の小麦の作付予定面積を90ヘクタールとする一方、ジャガイモ40ヘクタールのうち6割ほどが収穫できていない。適期播種に向け、約30人体制で、夕方暗くなっても作業を進めている。大雨の後、一部の畑で水がわき出すようになり、作業遅れをより深刻にした。

 作業の遅れは7~10日とみる。条件の悪い圃場では播種を諦めるか、小麦を連作するなどの対応を余儀なくされる。堺信幸専務は「お盆以降はまともに畑に入れなかった。今後輪作体系が崩れていくのが心配だ」と懸念する。

 同町では常呂川の上流に位置する支流、仁居常呂川が氾濫し、河川に沿って農地の流失や冠水、浸水被害が発生した。法人が所有する小麦畑は1.5ヘクタールを削り取られた。河川が整備されず、また同じ被害に遭うことを懸念し、来年は少なくとも3.4ヘクタールの作付けを断念。堺専務は「個人なら離農も考えるレベル。河川の整備が最優先だ」と訴える。

日本農業新聞

最終更新:9月22日(木)7時0分

日本農業新聞