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工藤ホークス悔しすぎる1点差負け 大観衆は歓声と悲鳴

西日本スポーツ 9月22日(木)10時2分配信

 きょうこそ「M8」だ! 工藤ホークスが「リアル二刀流」で臨んできた大谷を打ち崩せず、日本ハムとの天王山第1ラウンドを落とした。悔しすぎる1点差負けだが、工藤監督はファイティングポーズを崩さず、視線を22日に向けた。勝てばホークスにM8、負けたらハムにM6が点灯する最終決戦。上等だ。「ミスタープロ野球」の長嶋さんじゃないけれど、きょうは勝つ、勝つ、絶対勝つ!

芸術的バックトスを決める本多

■「最後はいい攻撃」

 大観衆の歓声と悲鳴が激しく交錯した。1点を追う9回。2死二、三塁と一打サヨナラの場面で、江川が中堅へ大飛球を放つ。前進守備を敷いていた陽岱鋼が、懸命に背走した。ミラクルエンディングを祈った一塁側ベンチ、そしてファンの祈りも届かず、白球は、無情にもフェンス際で差し出したグラブに収まった。

 サヨナラを確信してベンチを飛び出していた工藤監督は、中堅方向を見つめたまま動けない。わずか数メートル、いや数センチだったかもしれない。ほんの少しでも打球の行方が、ずれていれば、結果は天と地ほど違った。天王山の初戦は、これ以上ない惜敗。きょうにも自力Vが消滅し、宿敵に優勝マジック6が点灯する窮地に追い込まれた。だが、工藤監督はすべてを受け止め、ファイティングポーズを崩すことはなかった。

 「緊迫しました…。いいゲームでした。負けはしましたけど、明日につながるいい攻撃を最後にしてくれた。この、いい雰囲気を明日につなげたい」

 大谷を「リアル二刀流」で使ってきた日本ハムを相手に一丸で戦った。160キロを当たり前のように投げ込んでくる“怪物”を攻略しようと、必死になった。2点を追う5回は今宮が右前打で突破口を切り開き、大谷の失策につけ込み、本多がタイムリーを放った。「連打が難しいピッチャーから1点を取った。みんなで何とかしよう、みんなが一つになっていた。これをしっかり明日につなげる」。工藤監督はうなずいた。

■満員の観衆悲鳴…

 真っすぐにめっぽう強く、今季初めて1番に据えた江川が5打数ノーヒットに終わるなど奇襲は実らず、敗れた。とはいえ、勝負の世界、悪いことを引きずらず、うまく次へと切り替えた者のみが「勝者」の冠を得ることを、14度のリーグ優勝、11度の日本一を経験した工藤監督は知り尽くしている。1点を追う8回には、大谷から遊ゴロを放った中村晃が一塁へ頭から突っ込んだ。普段は冷静な男が見せた無言の闘志に、ベンチの誰もが熱くなった。

 22日は、負ければ自力Vは消滅するが、勝てばマジック8が点灯する。分かりやすい構図だからこそ、腹もくくれる。「さあ、明日! 明日っ!」。試合後の会見の締めで定番となった工藤監督のフレーズには、今季最大の張りと力強さがあった。王者のプライドを見せるのは、今だ。 

=2016/09/22付 西日本スポーツ=

西日本スポーツ

最終更新:9月22日(木)10時2分

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