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「セウォル号沈没事件」以降、韓国で過熱する報道と政治の対立

AbemaTIMES 9/22(木) 17:00配信

(C)AbemaTV

2014年4月16日に韓国南部沖合で起きた海難事故史上に残る犠牲者を出したセウォル号事件。乗客476人のうち死者295人、行方不明者9名という悲惨な結果を招いた。当時の政府の対処やその後の情報収集、公開、さらにはメディアへの対応など、遺族からの批判は根強い。

事件後の遺族、メディア、民間調査会社を追ったドキュメンタリー映画「ダイビング・ベル/セウォル号の真実」。本作は2014年の釜山国際映画祭で上映したところ、釜山市から上映中止を求められた。映画祭委員長は上映を踏み切り、その後、委員長が辞任した。釜山市で起きた報道と政治の対立。本作の監督であるアン・ヘリョン氏はどう見るのか。

結果的に上映されたことについては「映画祭は様々な人が訪れて映画を見て、語り合う場所。こうした映画を守ろうとする姿勢に対しては尊敬を感じる」と前置きをしながらも「釜山市の対処は中立性を欠いている。加えて、市長は私の映画を見ていなかったようです。その点が一番おかしいと思います」と行政を鋭く批判した。

報道と政治の中立性については「過去の軍事政権時代には報道規制があったが徐々に緩まっていった。表現の自由が尊重されるようになった。だが、李明博や現政権になるにつれ再び規制は強まってきたと感じている。セウォル号事件以降、政府から放送局への圧力が強まり、記者やディレクターがクビにされたという話も聞く」と監督独自の情報や体験談を元に危機感を露わにした。

また日本の表現の自由が憲法で守られているか、という質問に対しては「憲法上は保証されているかもしれないが、かつて『ゆきゆきて、神軍』というドキュメンタリー作品では上映自粛を求めることもあった」と指摘。常に表現の自由は権力によって侵害される危険性があり、それゆえ報道と政治は常に監視関係にある、ということを説明した。

これに関してBuzzFeed Japanの古田大輔編集長は「前職は新聞社だったが『これを書くな』と言われたことはない。だが、チーム取材をしている上で違うファクトや情報を掴んできた場合はチーム全体で精査することはあった」と指摘。

常に緊張関係にある報道と政治、本作はメディアの「権力の監視機能」に対して改めて警鐘を鳴らしている。

最終更新:9/22(木) 17:00

AbemaTIMES

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