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ワインに活路、山梨の醸造所と連携 パッションフルーツ特産化へ奮闘する沖縄の農家

沖縄タイムス 9月22日(木)11時30分配信

 糸満市の観光農園「うちなーファーム」(清川浩志社長)とパッションフルーツ農家でつくる「南時計草の会」が糸満産の同青果のブランド化に向け、ワインの原料などで連携を強めている。旧糸満観光農園の倒産後、事業を継いだ同社が一定量の買い取りなどで農家を支え、安定生産できる体制を整備した。2017年は前年比33%増の生産量12トンを目指す。今年8月、同社製パッションフルーツワインが国際コンクールで銅賞受賞。協力関係が実を結びつつある。(政経部・又吉嘉例)

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 同会は第三セクター当時の観光農園内で栽培していた6人が13年5月、研究会として設立。会名はパッションフルーツの和名(クダモノトケイソウ)から付けた。肥料のやり方など栽培方法について随時、意見交換している。

 青果栽培には繊細さが必要となる。同会の大城清宜さんは「どのフルーツも一緒だが、色や外観がより重視される」。日焼けや病害虫を防ぐため数万個の実に袋がけするなど、細かい作業が高品質な果実の安定生産につながるという。

 だが、14年6月、経営難に陥っていた糸満観光農園が解散を決め、会は3~7月の出荷最盛期に出荷先を失った。先行きを危ぶみ、2人がグループを離れた。奥間朝真会長は「コネもなく、どこに生産物を販売していいかも分からない。心配ばかりだった」。

 その後、市が同園の有効活用事業者として山梨県のワイン醸造所・まるき葡萄(ぶどう)酒などを選定。同社の現地法人、うちなーファームが引き続き青果の買い取り契約を結び、ハウスなど設備も修繕した。同会の吉浜清裕さんは「ほっとした。何年もかけて土を作ってきて、人に譲るのも抵抗があった」と話す。

 同ファーム製造管理部の塩島匠部長は「会の技術と歴史を信頼している。買い取りを保証する代わりに、いいものを作ってもらうということ」と説明。高級ワイン「ロマネ・コンティ」が特定の畑のブドウだけを原料とすることを例に「この農園から出てきた高品質の青果や加工品を『糸満ブランド』にしたい」と力を込める。

 17年以降、生産したパッションフルーツをすべて同社が買い取る契約を両者で交わした。今年の生産量は計9トンだったが、17年は計12トンを目標に定めた。まるき葡萄酒の販路を活用してワインなど加工品を売るほか、グループ企業の宿泊施設などで青果を提供し、認知度を高めていく。大城さんは「いい青果を作ることに時間をかけられる」と歓迎。奥間会長も「共存共栄で発展していきたい」と話した。

最終更新:9月22日(木)11時30分

沖縄タイムス