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北朝鮮の海外派遣労働者問題 国際安保機関で論議

聯合ニュース 9月23日(金)9時47分配信

【ブリュッセル聯合ニュース】海外に派遣され低賃金で過酷な労働を強いられている北朝鮮労働者の問題が、安保関連の国際機関の定例会議で初めて取り上げられた。

 欧州を中心とする地域安全保障機構である欧州安全保障協力機構(OSCE)の専門機関、民主制度・人権事務所(ODIHR、本部ポーランド・ワルシャワ)が22日、ワルシャワで人権に関する会議を開催。人権団体の国境なき人権(本部ブリュッセル)のウィリー・フォートレ代表が、北朝鮮の海外派遣労働者の人権侵害について発表した。

 現在、5万人の北朝鮮労働者が16カ国で働いており、年間12億~23億ドル(約1210億~2320億円)を北朝鮮に送金しているという。

 フォートレ氏は、北朝鮮労働者を雇用している多くの国が北朝鮮に対する国連の制裁を履行していないことになると批判。ポーランドやオランダ、マルタなど複数の欧州連合(EU)加盟国も北朝鮮との非道徳的な取引にかかわっており、オーストリアの場合は2014年と15年に100人以上の北朝鮮国籍者に査証(ビザ)を発給したと指摘した。

 同氏はポーランドに派遣された北朝鮮労働者の例を挙げ、▼1日12~16時間、ひと月に1~2日しか休むことなく労働搾取を受けている▼月賃金は契約上の10~20%にとどまる▼ポーランドに到着すると同時に北朝鮮の監督官に旅券とビザを取り上げられ、移動の自由がなく、外部と隔離された集団生活を強いられる――などの人権侵害の実態を明らかにした。しかし、ポーランド当局はこうした状況を知りながら、労働搾取にかかわった主体に対する制裁や関連政策の見直しを行わず、国際労働機関(ILO)労働基準違反を放置していると批判した。

 フォートレ氏は北朝鮮労働者を雇用しているOSCE加盟国に対し、ILOの労働基準と各国が署名した人権に関する国際規約を履行するよう促した。OSCEに対しては、加盟国の北朝鮮国籍者に対する労働ビザ発給と北朝鮮労働者の実態に関する情報収集を求めた。

最終更新:9月23日(金)9時52分

聯合ニュース