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米オラクル「Oracle Open World 2016」、マーク・ハードCEOが訴えるクラウドの必然性、「IT投資が伸びないなかでビジネスイノベーションへの貢献を求められている」

BCN 9月23日(金)14時0分配信

米オラクル「Oracle Open World 2016」、マーク・ハードCEOが訴えるクラウドの必然性、「IT投資が伸びないなかでビジネスイノベーションへの貢献を求められている」

マーク・ハードCEO

 【米サンフランシスコ発】米オラクルは、米サンフランシスコで現地時間9月18日から22日までの5日間、年次プライベートイベント「Oracle Open World(OOW) 2016」を開いた。創業者のラリー・エリソン会長兼CTOは2回の基調講演で、IaaSへの注力とAWSへの対抗姿勢を鮮明にしたが、同社のもう一人の顔であるマーク・ハードCEOも、イベント中、さまざまな機会を捉えて精力的にメッセージを発信した。市場環境の変化がクラウドへの注力を必然にしたという認識のもと、全方位でクラウドビジネスのトップベンダーを目指す方針であることをあらためて鮮明にした。

 OOW 2016の二日目、19日午前中の基調講演に登場したハードCEOはまず、エンタープライズITの世界を取り巻く経済環境について言及。「全世界のGDPは約75兆ドルと膨大な規模になっているが、平均GDP成長率は2.5%に過ぎない。地域的にみると中国のGDP成長率は6.5%と非常に高く、世界のGDPの成長の40%は中国が支えている。そう考えると中国は重要な市場になるわけだが、(先進国として成熟しGDP成長率が鈍化した)北米や欧州、日本などの企業は収益の成長率をどう高めるかを考えなければならなくなっている」と指摘した。そのうえで、企業の経営層が直面している課題について、次のようにコメントした。

 「CEOは平均して18四半期で会社から去ってしまう。私は幸いにもこれを超えたが(笑)、簡単な仕事ではないことに変わりはない。多くのCEOは成長を実現するためにライバルから顧客を奪取して市場のシェアを向上させようとしているが、問題はIT予算が増えているわけではないということ。ミレニアル世代の消費者はとても巧みにITを使いこなすし、消費者はより洗練されてきているわけで、そのなかでシェアを向上させるためには、そのための新しいITシステムをもちたいと考えるのが自然だ。しかし、現実にはいまあるシステムを動かすための予算しかないことが多い。ITを使ってビジネスをイノベーションしていくために使うべき予算が、そうしたシステムの保守運用に使われている」。

 ハードCEOは、そうした状況を変えられるのがクラウドだと熱弁を振るった。オラクルをAWS、マイクロソフト、セールスフォース・ドットコムと並ぶ四大クラウドベンダーと位置づけ、「四社は売り上げが増加しているが、従来型のIT投資に関するビジネスがいまだに主流派のHP(E)、IBM、ヴイエムウェア、インテル、ネットアップ、デルEMCは横ばいか下がっている」とコメント。その理由を、「クラウドがTCOを削減できるということになれば、それは使う理由になるが、クラウドのメリットはコストだけではない。より安全で、信頼性があり、拡張性があり、使いやすく、スピーディなイノベーションが可能になる。継続的に新しい機能を同じ価格で使うことができるわけで、クラウドは今までのやり方を変える強力な道具になる」と説明した。

 こうした背景をもとに、オラクルはクラウドに積極的に投資してきた。ハードCEOによれば、「年間のR&D投資を52億ドルまで拡張している。なぜこんなに多いのか。それは、当社のすべてのアプリケーションやデータベースを、オンプレミスとクラウドでまったく同じように使える製品にするためにゼロから書き直してきたから」だという。グローバルで約20のデータセンターを立ち上げるなど、クラウドサービスのインフラ整備も進め、結果として「当社のクラウドビジネスは82%伸びた。これは、AWSよりもマイクロソフトよりも大きい数字だ」と、ハードCEOは胸を張った。仏通信大手のオレンジや、世界有数のメガバンクであるHSBCといった巨大企業が、基幹系システムにオラクルのクラウド製品を採用していることも紹介した。

 また、昨年の基調講演でハードCEOは、2025年のIT業界に関する「五つの予測」を披露した。具体的には、「アプリケーションの80%はクラウド上で稼働するようになる」「2社のアプリケーションスイート・プロバイダがSaaS市場の80%を占めるようになる(そのうち1社はオラクル)」「新しいアプリケーションの開発・テストは100%クラウド上で行われるようになる」「ほぼすべての企業のデータはクラウドに格納されるようになる」「エンタープライズクラウドは最も安全なIT環境になっている」というものだったが、これを今年は「八つの予測」にアップデート。「80%のIT予算はクラウドに使われる」「企業のデータセンターの80%はなくなる」「CIOはIT予算の80%をイノベーションのために使うようになる」の三つを追加した。

 ハードCEOは前日のパートナー向けゼネラルセッションでもスピーカーを務め、この基調講演のダイジェスト版的な内容を披露している。パートナーに対しては、「もう(クラウドビジネスの)船は進んでいて、引き返せない。顧客の成功を支援するためには、われわれのポートフォリオをよく理解してくれているパートナーの皆さんの手助けが必要であり、市場を一緒にどんどん拡大していきたい」と呼びかけた。(本多和幸)

最終更新:9月23日(金)14時0分

BCN

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