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<政活費>海外視察報告書「義務の有無すら知らぬ」

毎日新聞 9月23日(金)7時5分配信

 都道府県議の政務活動費(政活費)による海外視察を巡り、報告書の作成が義務付けられていない議会の議員らは、毎日新聞の指摘に「議論したことはない」「全く知らなかった」などと語った。一方で2014年に発覚した兵庫県議による政活費詐取事件を受けて制度を見直した例もある。一部とはいえインターネット公開も進み、情報公開に対する意識の違いが浮き彫りになっている。【川名壮志、田ノ上達也】

 「報告書の作成が義務付けられ、みんな作っていると思いますが……」。毎日新聞の取材に岡山県議会の井元乾一郎議長は自信なさそうに答えた。約6時間後に「議会事務局に確認したら、義務付けられていなかった」と訂正した上で「視察結果を公開する議論がされたこともなく、市民が報告書を見られないことも知らなかった」と打ち明けた。

 岡山県議会には今年6月、政活費の収支報告書をホームページで公表するよう求める陳情が出されたが、継続審議になっている。井元議長は「視察結果をきちんと公開して、政活費の使い方の透明性を高めるのは時代の流れ。改善を検討したい」と述べた。

 一方、ある群馬県議は「海外視察報告書の作成が義務付けられれば、政活費の使い勝手が悪くなると嫌がる議員は多いはず」と語った。議会で今まで報告書の作成や公開が話題になったことはないといい「全部インターネットで公開すればいいと思う。世界中の人にチェックされ、適当なことができなくなる」と明かした。

 ◇兵庫の事件受け、改革図る議会も

 改革を始めた議会もある。長崎県議会は14年度、税理士らが起用された県の監査が各会派に入り、政活費による海外視察の報告書をつくるよう意見された。県議会は今年2月、運用指針を見直し、報告書作成を義務付けた。

 滋賀県議会は兵庫県議による詐取事件を受け、15年度に改革検討委員会を設けて政活費の使途の見直しを始めた。

 海外視察は行程や目的を明らかにした上で報告書を作成するようマニュアルを改定し、今年4月から運用を始めた。

 報告書をホームページで公開しているのは簡易版も含め兵庫、大阪、山梨の3府県だけ。三重県議会は自主的なワーキンググループの議論を経て、09年に報告書の作成を義務付けたほか、誰でも傍聴できる海外視察報告会を開催している。

最終更新:9月23日(金)7時5分

毎日新聞

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