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<EU>リビア海軍を訓練へ 難民救助と密航摘発で

毎日新聞 9月23日(金)7時20分配信

 【ブリュッセル八田浩輔】欧州連合(EU)は、北アフリカから地中海中部を経て欧州を目指す難民・移民の死者が増加していることから、主な経由国リビアの沿岸警備隊と海軍を対象に、人命救助と密航仲介業者の摘発などの訓練を今月中にも始める。監視範囲をリビア領海に広げて、密航抑止や転覆による犠牲者の減少を目指す。

 EU筋によると、訓練はまずリビアから80人を公海上のイタリア軍の艦船に招いて実施する。来夏には訓練を終えた部隊約1000人の活動開始を想定する。

 EU筋は「事故の多くはリビア領海で起きている。一部加盟国は(監視用)船舶を提供する用意もある。これ以上の犠牲を出してはいけない」と話している。

 EUは昨年、100万人を超える難民を内戦が続くシリアやアフガニスタンなどから受け入れた。だが過大な負担感や治安上の懸念から加盟国の国民の反発が強まり、今年3月にトルコと協力してギリシャに入る主要経路を事実上閉鎖した。一方で、アフリカ諸国などからリビアなどを経てイタリアを目指す動きは昨年と大きく変わらない水準で続き、死者数はむしろ増えている。

 国際移住機関(IOM)によると、今年9月中旬までにイタリアに着いた難民・移民は13万561人(昨年は9月末までに13万2071人)。死者は2766人で、難民・移民の欧州流入が史上最高水準だった昨年の2622人より150人近く増加した。地中海での死者・行方不明者は今年上半期で世界の8割近く。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は「今年は死者数で過去最悪の年になりそうだ」と懸念する。

最終更新:9月23日(金)7時20分

毎日新聞