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CC2松山氏の“全国行脚”プロジェクト途中経過報告! 20周年記念ファンイベントの開催も発表【インタビュー】

ファミ通.com 9月23日(金)13時47分配信

●全国を回る行脚講演を開始して、松山氏がその手応えと思いを語る!
 2016年の2月に創立20周年を迎えたサイバーコネクトツー(以下、CC2)の代表取締役社長・松山洋氏が企画した、47都道府県行脚講演企画“会いに行ける社長プロジェクト 松山洋とあそぼう 全国行脚”。2016年5月25日、山口県のスタートから約3ヵ月が経過し、8月19日時点で23道府県と、全国のほぼ半分の地域が終了。ゲームメーカー社長としては、おそらく全国初の試みとなる47都道府県を回って、各地の学校での講演&ファンたちとの飲み会を行うという、前代未聞のプロジェクトを実施中のCC2松山氏に、9月より開始された後半戦の意気込みと、全国23道府県を回っての手応えや、新たに感じたゲーム業界の問題点など、途中経過報告を語ってもらった。

 “会いに行ける社長プロジェクト 松山洋とあそぼう 全国行脚”は、特設サイト http://www.cc2.co.jp/20th/(⇒こちら)にて、全国のスケジュール確認&申込を行うことが可能。

●全国行脚プロジェクトを半分回り終えて感じた手応えと問題点とは
--全国47都道府県をゲームメーカーの社長自ら回るという前代未聞のプロジェクトも、スタートからちょうど3ヵ月が経ちました。まずはいまの進捗状況を教えてください。

松山洋氏(以下、松山) 8月後半の時点で、47都道府県のうち、23道府県を回りました。ちょうどいま、折り返しといったところです。23番目に回ったのが北海道で、これまで専門学校35校、大学20校、のべ約3000人くらいにお話ができました。山口県からスタートし、本州の下側と北海道、九州の一部を終えているので、あとは九州の残っている地域と四国に、東京から上の地域ですね。

--今回の企画を実施してみて、改めてわかったことなどはありますか。

松山 これは企画をスタートしてみてわかったことなんですが、土曜日や日曜日は学校の対応が難しいことが多いですね。私は平日は開発の仕事をしていますので、金土日、もしくは土日月の3日間で実施しているんですが、なかなか調整が難しいことが多かったです。

--それは、やはり学生が休みということが影響しているんですか。

松山 いや、学生というより、先生が休日出勤扱いになってしまうことが問題なんです。また、専門学校では土日にオープンキャンパスをやっていることも多く、これらの理由で土日の調整が難しいことが多いんですよね。今回の企画は、基本的に午前中に一校、午後に一校、夕方に一校と、各学校を回らせていただいて講演を行っているんですが、どうしても講演を行いたい学校の都合がつかなかった地域などは、別の日に伺わせてもらうこともあります。そのため、岡山県では2回目を実施する予定です。また、東京や神奈川など、学校の数が多いところは、必然的に複数回行なうことになると思います。

--なるほど、いちど終わった都道府県でも、再度訪れてイベントを実施されることもあるというわけですね。それでは、後半戦を控えた現在の中間報告について、お話をお聞かせください。

松山 まず最初に説明しておきたいのですが、この企画についてけっこう勘違いをされている方が多いんですよね。私が全国47都道府県を飲んで回るのが目的だと思われている方がじつに多いんです(笑)。本当の目的は若い人材の発掘と育成に力を入れるために、全国の学校を回っていくことなんです。でも、せっかく全国を回るのだから、各地域にいるファンの方たちと交流を持ちましょうということで、夜の部(飲み会)を行っているということを、いま一度説明させておいてください。ここからは、私自身が感じているゲーム業界の問題点を話させてもらいますが、現在のゲーム業界で活躍している著名クリエイターは、私を含めておじさんばかりなんですよ。ゲーム業界を目指したいと言っている人はたくさんいるのに、現在のゲーム業界はいろいろ厳しいところもあって、どうしても即戦力になる中途採用が主流になっているんですね。つまり、新卒をゼロから育てていくということが、業界全体でできていないんですね。

--一部の大手メーカーだけですよね。新卒を採用して、いちから育て上げていけるのは。

松山 CC2の採用者を例にあげると、2013年は中途16名、新卒7名、2014年は中途7名、新卒4名、2015年は中途16名、新卒12名、2016年には中途10名、新卒9名と、新卒採用にも力を入れています。また、弊社ではスーパーゲームスクールのような試みも行っていますし、今回の企画でも、ゲーム業界を目指すために、どういった戦い方をすればいいのかといったヒントを教えられればと思い、全国を回る講演を実施しました。ただ、こうやって23道府県を回ってみたところ、最近の学生たちがいまのゲーム業界の実情をあまりにも知らないということを、改めて思い知らされたんです。たとえば、講演で学生たちに「頭のなかで思い浮かんだゲームメーカーを言ってください」と質問をすると、そこで出てくる名前が、おもにスマホゲームを手掛けているメーカーばかりなんです。今回は家庭用ゲームの講演なので、コンシューマーのメーカーをあげてほしいと聞いてみても、答えの傾向が変わらない。そこで、50人くらいの学生たちに「PS4を持っている人?」と質問させてもらったところ、5人もいなかったり……。「君たちはゲームが好きなの?」と聞いてみると、みんな「好きです」と答えてくる。でも、詳しく聞いてみると、みんなスマホのゲームばかり遊んでいて、なかには『ドラクエ』や『FF』は知らないなんて人もいるくらいなんです。私自身、いまの学生たちが我々と同じ意識や感覚じゃないということはわかってるつもりでしたが、思った以上に家庭用ゲームに対して夢を見なくなっているんだなと実感しました。これは我々ゲーム業界側の反省すべき問題点でもありますよね。

--たしかに、スマホのゲームにももちろん優れている作品は多数ありますが、それしか知らない人たちが多いということは問題ですね。

松山 そうなんです。いまの若い学生たちってみんな一生懸命で、勉強をサボっている人はほとんどいません。ですが、もう少しゲーム業界の仕組みや流行り、トレンドといった情報を持っていないと、その勉強が無駄な努力になってしまうこともあります。我々が「いまの若いやつら、ヤバいね」って言ってしまうのは簡単なんですけど、そういった状況を踏まえたうえで、業界全体でしっかりと考えたい。もう一度ゲーム業界に興味を持って、ちゃんとした意味で夢を見てもらうための活動が必要だなと、改めて思わされた次第です。

--今回の企画を実施してみて、松山さん自身が思ってる以上に危機感を持たれたということですね。そのような危機感を持たれて、これから具体的にどのようなことをされたいのかといった、イメージは持たれているのでしょうか。

松山 今回の都道府県巡りで、多くの学校関係者の方とお話をさせていただいて思ったことなんですが、各学校と直接接点を持っているメーカーの人間って、じつはそれほどいないんですね。弊社もそうでしたが、学校と繋がりがあるのは企業の人事担当者だけで、その人事担当が学校で企業説明会を行うので、公式サイトの会社概要に載っているような話しか伝わらない。現場で何をしている、どういった人間が求められるといった、活きた話ができていないんですよ。また、企業にとっても、各学校でどんなことを学んでいるのか。得意分野は何で、どんな人材がいるのかなどはなかなか伝わってきません。ですので、今回の企画が終わったら、私が実際に各学校を回って得られたデータベースを作り、何らかの形で各メーカー間で共有できるようにしようと思っています。それから、今回は私のひとり旅という企画で講演を行っていますが、私が知っている企業の方やクリエイターといっしょに各地方の学校を回り、活きた対話をする、言わばスカウトキャラバンのような企画も実施したいですね。

--それはいい試みですね。学生たちはもちろんのこと、学校や先生たちにとってもいい刺激になりそうですし、企業にとってもそこでいい人材が発掘できれば、お互いWIN-WINの関係にもなりますよね。このような学校情報のデータベース化や、スカウトキャラバンのようなことは、全国行脚プロジェクトを行う前から考えていたのですか。

松山 いえ、これは今回全国を半分ほど回ってみて、個人的に危機感を覚えたことで至った考えになります。これは弊社だけの問題ではなく、ゲーム業界全体の問題だと捉えていますので、業界の仲間みんなで協力し合って、少しずつ取り組んでいかなくてはいけない問題ですね。

--現役でゲームを作られているクリエイターや業界の関係者が、地方の学校に足を運ばれるというのは、実現すると本当にいいですね。いまはニコ生などでの配信もあり、気軽にクリエイターに接する機会もありますが、実際に足を運んでもらうのって、特別なことじゃないですか。

松山 でも、こういった機会に参加される学生たちには、普段から積極的に業界のことを気にして、勉強してもらいたいですね。私は子どもの頃から少年ジャンプが大好きで、大好きだから作っている編集部に興味を持ったし、集英社という会社に興味を持ったし、少年ジャンプの発行部数が何万部なのかということに興味を持ちました。別にそれは誰かに教わったり、言われたから行ったわけじゃないんです。普通はそうだと思うんですよ。ゲーム業界を目指そうと思うのならば、いまのゲーム業界の市場がどうなっているのか、何が流行っているのかを気にするのは、当たり前というより、知っておかないと仕事になりませんからね。いまはネットで手軽に情報が得られる時代なので、自分が好きな作品だけを追い続けるのではなく、それ以外の情報も広く持っていてほしいところです。

●ファンたちと直接触れあうファンミーティングを実施してみて
--ちょっとここで講演の話はひと区切りして、ファンミーティングの話をお聞きしたいと思います。実際にファンの方たちと直接触れあわれる飲み会をされていますが、そこで得た手応えや実感を教えてください。

松山 思った以上に『.hack』ファンの方が多かったですね。もちろん、『ジョジョの奇妙な冒険』をはじめ、『NARUTO-ナルト-』や『ソラトロボ』、『アスラズラース』が好きな方もいらしたりと、各作品のファンの方たちが参加してくれています。参加されている方たちのそれぞれは接点もない赤の他人ばかりですが、共通の作品のファンだったり、弊社を応援してくれている方たちばかりなので、みんな帰りがけにLINEを交換しあったり、Twitterをフォローしあったりされているのを見ると、今回のイベントを実施してよかったなと思います。

--こういった場を用意して、そこで新しい友だちが増えるっていいことですね。

松山 話を聞くと、皆さん最初はすごく怖かったらしいんですよ。なんせ、今回のメインの相手はゲーム会社の社長であり、ゲームクリエイターでもあるわけですからね。その上で、周りが業界人ばかりだったらどうしようとか、不安に思われる方もいたようです。でも、実際に参加されればわかりますが、大半は一般の方たちばかりです。私自身もこんなキャラクターなので、そんなことを思う人なんていないだろうって考えていたんですが、箇条書きで私のスペックだけ見ると、たしかにそう考える人が出てもおかしくないですよね。たとえば、私が大学生のときに、地元に私が好きな漫画家さんやアニメの監督がきて、いっしょに飲めるよなんて言われても、たしかに躊躇したでしょう。ですので、参加された皆さんは勇気を持って参加してくれたんだなと思います。でも実際に参加してみたら、同じファンどうしじゃないですか。『.hack』の話、『NARUTO-ナルト-』の話など、いろいろしているうちに、和気藹々と楽しくおしゃべりされています。これから、ちょうど折り返しということで、すでに募集を開始している地域もありますけど、過去の参加者たちが言うように、全然気張る必要はないですし、軽い気持ちで参加してください。実際に参加された方の声を聞いてみると、ほとんどの方は「参加してよかった」や、「これから参加できる場所の人は、絶対参加するべき」なんてうれしいことを言ってくれているようです。なかには、複数回参加されたリピーターの方もいらっしゃいますからね。

--そうなんですか。それは、隣の県まで遠征されたりしているということですか。

松山 そうですね。実際に関西圏で、6回参加された方もいます(笑)。また、大阪で参加された別の方は、再度参加したかったところ近県はもう予約がいっぱいになっていて、それならばと休みを取って熊本県まで来られました。その方は、地方だと少ない人数で話ができるので穴場だと言っています(笑)。

--参加された方たちとは、どういったお話をされているんですか。

松山 業界の話から、いままで作ってきたタイトルの話、私がいま考えていることなど、さまざまです。それから、昨今の流行もあるのでしょうが、「VRをどう思いますか」ということはよく聞かれますね。これも実際にあった話ですが、「『.hack』の“The World”の世界を、VRで実際に歩けたらすごくいいと思います」って提案をされたんですけど、「それは誰しもが考えることだけど、ただVRに落とし込んだだけではおもしろいものにならないし、VRにはVRなりのゲームデザイン・作法が必要になるんですよ」ということを説明すると、「なるほど! さすがはクリエイターですね」って言われました(笑)。それから、これは誰かがTwitterにあげてからのことだと思いますが、最近の参加者は全員、色紙を持ってきますね。

--HPを見るとわかりますが、たしかに松山さん、これでもかというくらい大量に書かれていますよね。

松山 もう100枚以上書いています。せっかくのイベントですし、私は書くのは全然構わないんですが、2時間半くらいのファンミーティングの大半が下を向いて、絵を描いている状態になっちゃうんですよ(笑)。もちろん、話はちゃんとしていますけど、顔はずっと下を向いたままという。

--そこまでしてくれるファンサービスってなかなかないですよね(笑)。

松山 色紙以外に、設定資料集を持ってきてくださったり、私の本を持ってきてくれたり、ゲームのパッケージを持ってきてくれたりと、いろいろなものにサインをしていますが、皆さん本当によろこんでくださるので、この後のファンミーティングでも精一杯やらせていただきます。あと、これから参加される方に言っておきますが、私はほとんど食べずにしゃべってばかりいますが、普段から晩ご飯はあまり食べないので、心配ご無用です。

--たしかに、普段から松山さんは夜はあまり食べられないですよね。

松山 昼にアホみたいに食べていますからね。それに、せっかく皆さんと過ごす以上、ひとりでも多くの人とたくさんお話をしたいですし。皆さん、序盤は遠慮しているせいか、口数の少ない人も多いですが、せっかくの機会ですから、遠慮せずに何でも言ってください。答えられない質問や要望には、きちんと答えられないと言います(笑)。そもそも、来年以降にこういったファンミーティングができるかわからないですからね。

--これを毎年やっていたら、松山さんの休みがなくなっちゃいますよ(笑)。

松山 もともと休みはないようなものですから(笑)。

--ほぼ毎週末にひとりで全国各地を回られていて、体力的には問題ありませんでしたか?

松山 そこは全然問題ないですね。初めてのバスや路面電車なども乗って移動していますが、『ポケモンGO』といっしょに旅をしています。おかげさまで、順調に集まっていますよ(笑)。

--(笑)。こういった身体を張った企画ですが、こうして話を聞いてみて、やってよかったという感じがひしひしと伝わってきます。今回の企画自体は、いつ頃終わりを迎える予定なんでしょうか。

松山 11月頭の終了を予定しています。当初は10月末で終わろうと思っていたんですが、8月が夏休みの影響で思ったほど回れなかったこともあり、11月までかかってしまいそうなところです。それから、これはここで初めて明かしますが、全国行脚が終わった後、11月23日に東京のお台場でCC2の20周年記念イベントをやります。こちらの詳細はまた追ってお話させていただきますが、みんなが楽しめるライブイベントをやる予定です。

--11月23日のイベント情報も気になるところですね。全国行脚の終了と、20周年記念イベントまでもうあまり時間がないと思いますが、来年以降も何か続きのようなことは考えていますか。

松山 今回の取り組みは、このまま終わらせてはいけないなという気持ちだけはハッキリしました。当初から考えていたことは、若い人たちにゲーム業界に興味を持ってもらって、優秀な人たちに入ってもらいたいということなんです。全国を半分ほど回らせていただいて、今回のようなゲーム業界が抱える問題点を知ることができたというのは、いちばんの収穫ですからね。どういった形になるかはわかりませんが、ゲーム業界の仲間たちといっしょになって、若い人材の育成・発掘とゲーム業界の発展のために、こういった取り組みは今後も継続していきたいと思います。

--よければ、今回の全国行脚が終わったあとにファミ通のニコ生放送で、改めて講演をやっていただけませんか。松山さんの講義を見てみたいと思われる方は、ファミ通ニコ生の視聴者にもたくさんいると思います。

松山 それはぜひやりましょう!

 ゲーム業界に入るチャンスを広く提供する“スーパーゲームスクール”の運営や、プロの現場で求められるクリエイターに必要なスキル・レベルを具体的な内容で説明してくれる“会社説明会という名のゲームクリエイター講座”など、ゲーム業界の新しい人材の発掘・育成に力を入れるためのさまざまな取り組みを積極的に行っているCC2。今回の全国行脚での学校講演も、その取り組みのひとつとして実施されているが、松山氏は今回のプロジェクト終了後に、ファミ通チャンネルのニコニコ生放送で講演を行ってくれるとのこと。松山氏によるニコ生講演と、11月23日開催20周年記念イベントの詳細については、続報が入り次第お伝えするので、楽しみに待っていてもらいたい。

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最終更新:9月23日(金)13時47分

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