ここから本文です

伊勢孝夫氏 ソフトバンク大逆転あるぞ!日本ハムに“見えない敵”

東スポWeb 9/23(金) 16:32配信

 ソフトバンクは22日、日本ハムに2―5で敗戦。本拠地ヤフオクドームで宿敵相手にまさかの2連敗となり、日本ハムにマジック6の点灯を許した。絶体絶命の状況だが、本紙評論家の伊勢孝夫氏は2連戦の結果とは裏腹に、ソフトバンクの逆転Vを予想する。

【伊勢孝夫・新IDアナライザー】ゲーム差なしで迎えたパ・リーグ首位攻防戦で2連勝した日本ハム・栗山監督は見事なチームを作り上げた。彼は自軍よりも戦力的に上回るソフトバンクを相手に、どうすれば勝てるのかを常に考えていたが、中島や西川、大野の打席での粘り、きっちりと走者を得点圏に進め、しぶとく1点を取りにいく野球は栗山監督らしかった。現役時代の長い下積み経験が、下克上を成し得るための「考える力」を養わせたのだろう。自らの目指す野球をチームに徹底・実行させたことが、大一番で僅差の勝負をものにできた要因だと感じた。

 一方、ソフトバンクの敗戦の裏で気になるシーンが2つあった。1つは初戦の9回無死二塁の場面。吉村に犠打のサインが出なかったシーンだ。もう1つは第2戦の4回無死二塁、長谷川の打席。ここもベンチから犠打の指示は出なかった。どちらも天王山の1点ビハインドの展開。最悪、進塁打でもいいが、確実に送りバントで三塁に走者を進めたかった。

 この2つの采配に私は「工藤監督らしい」と思えるところがあった。栗山監督とは対照的に、工藤監督は現役時代は実績十分のスター。長く常勝軍団に属し通算224勝、リーグ優勝14度、日本一11度を数える、常に勝ってきた成功者だ。無意識のうちにどうしても他者に対して高いレベルを要求し、また、それを達成できるのが当然という考えを抱いてしまうのは仕方がない。工藤監督の中に吉村にしても長谷川にしても、自分が求める結果をクリアしてくれるだろう、という考えがあったのだと思う。

 重要な場面ほどセオリー通りに動くのは鉄則、ましてや天王山。この2試合、両軍監督にスポットライトを当てると、その采配にはそれぞれの野球人生を反映した「らしさ」が垣間見えた。

 最後に気になるのは優勝の行方だ。首位に立った日本ハムがこのままゴールテープを切るのか。私は、連敗を喫したソフトバンクが逆転Vを果たすのではないかと思っている。理由は、この2連戦で最高の結果を手にした日本ハムに生まれる隙だ。人は誰しも目標を完遂した時に、どうしても安堵する。そこに知らず知らずのうちに隙が生まれる。残り7試合、日本ハムは“見えない敵”とも戦わなければならない。まだ、決着はついていない。(本紙評論家)

最終更新:9/23(金) 18:17

東スポWeb