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奇跡のあじさい 熊本へ 長沼中生が贈る

福島民報 9/23(金) 12:27配信

 アジサイが福島県須賀川市長沼地区と熊本の地震被災地の絆を結ぶ-。東日本大震災で堤が決壊し、大きな被害が出た長沼地区の農業用ダム「藤沼湖」。湖底から見つかったアジサイを株分けした「奇跡のあじさい」を、長沼中の生徒が復興支援のシンボルとして今月中に熊本県宇土市の住吉中に贈る。生徒は「5年前は全国から支援を受けた。今度は自分たちが熊本の被災者を励ましたい」と意気込む。
 長沼中の生徒会が中心となり、熊本地震からの復興に向けて「何か形に残る支援をしたい」と考え、「奇跡のあじさい」を贈ろうと立案した。
 アジサイを全国の希望者に育ててもらい、藤沼湖畔に植栽する事業を展開している長沼商工会藤沼湖復興プロジェクト委員会の協力を得て、20株を贈る。全校生徒と教職員約200人が「苦しい時も希望を持って」「頑張って未来にそれぞれの花を咲かせよう」などとメッセージをしたためたカードを同封する。
 生徒会長の大森希歩(のあ)さん(15)=3年=は、自宅が藤沼湖の決壊で浸水し、半壊した。自分は小学校にいて無事だったが、家にいた家族が濁流に流され、一命を取り留めた。カードには「上を向いて歩こう!」と書いた。「地震でお互いつらい思いを経験した。アジサイをきっかけに交流を深められればうれしい」と期待を寄せる。
 遠藤彰校長(53)は「震災を語り継ぐ使命がある生徒から素晴らしいアイデアが生まれ、誇らしく思う」と語った。
 今回の贈呈は熊本県宇土市で復興プロジェクトに協力し、既に「奇跡のあじさい」を育てている元県職員の高橋捷昭(かつあき)さん(75)が橋渡し役を務め、市教委に話を持ち掛けて実現した。
 宇土市は市内にアジサイの名所があり、市の花になっている。住吉中は「奇跡のあじさい」を校内の花壇に植栽して育てる方針。佐渡(さわたり)清校長(56)は「アジサイが長沼との絆を結んでくれた。大切に育てていきたい」と約束している。

■来年6月植栽企画 藤沼湖復興プロジェクト委

 「奇跡のあじさい」は平成25年4月に藤沼湖の湖底を歩くイベントを開いた際、湖底に群生しているのが見つかった。震災の教訓を後世に伝えるため、藤沼湖復興プロジェクト委員会がこのアジサイを株分けして増やし、全国から希望者を募って花を育ててもらっている。
 現在、北海道から沖縄県まで、個人・団体合わせて2000人以上の協力者がいる。来年6月には全国各地から集まり、湖畔や周囲に広がる自然公園にアジサイを植栽するイベントを企画している。

福島民報社

最終更新:9/23(金) 12:45

福島民報