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豊洲市場 環境アセスも盛り土記載 大幅変更には1年

産経新聞 9月23日(金)7時55分配信

 築地市場(東京都中央区)の移転先となる豊洲市場(江東区)の主要施設の下に盛り土が行われていなかった問題で、建設前に提出された環境影響評価(アセスメント)の評価書にも「盛り土を行う」と実態と異なる趣旨の説明が記されていたことが22日、都への取材で分かった。評価書は都条例で作成が定められており、都は専門家会議の安全性の検証を踏まえて評価書を変更する方針。内容次第では手続きに1年以上かかることも想定され、築地市場の移転延期期間がさらに長期化する可能性が出てきた。

 環境アセスメント制度を所管する都環境局によると市場建設を担当する都中央卸売市場が平成22年11月、評価書案を環境局に提出した。外部有識者らの審議会で審査を受け修正を加えた上で23年8月に正式な評価書を公示した。評価書は土壌汚染対策の一つとして4・5メートルの盛り土を挙げ「建物予定地は建築工事の根切りを除く高さまで盛り土する」などと記載。「根切り」は建物の基礎部分を造る際に地面を掘り下げる行為を意味する建築用語で、盛り土の上に建物が建つイメージ図が描かれていた。

 評価書は土壌汚染について「対策完了後、環境への影響が生じることはない」と結論付けており、審議会もその内容を了承していたが、環境局の担当幹部は「審査は盛り土がされることを前提に行われた」と指摘。市場側からは、盛り土をせずに地下空洞を設けることを示す資料の提出もなかったとしている。

 問題の発覚後、環境局は評価書の内容と実態が異なるとして市場に変更を指導した。市場は今後、安全性の検証を本格化させる専門家会議の提言を受け、変更手続きに入るとしている。

 専門家会議の平田健正座長は「(地下空洞に)盛り土をするのは難しいと思う」と述べており、盛り土をしない前提で新たな対応策が提言される可能性もある。環境局関係者によると、簡単な内容の変更で済む場合には審議会の審査など手続きは1~2カ月程度で完了するが、大きな変更点が生まれ、小池百合子知事が評価書の作り直しが必要と判断した場合は手続きが1年以上に及ぶことも想定される。

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【用語解説】東京都の環境影響評価(環境アセスメント)制度

 高速道路や卸売市場など大規模な開発事業を実施する際に環境への悪影響を抑えるために、都は条例に基づき事業者に対して、環境対策や、その効果の予測などを盛り込んだ環境影響評価書の作成を求めている。事業者は都に評価書案を出し、審議会の審査を経て正式な評価書を策定、都に提出する。都は評価書を公示する。

最終更新:9月23日(金)8時11分

産経新聞