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臨時国会26日召集、論戦の焦点は

産経新聞 9月23日(金)7時55分配信

 第192臨時国会が26日召集され、与野党の論戦が幕を開ける。安倍晋三首相は「アベノミクス加速国会」と位置づけ、政府・与党は成長戦略の要となる環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)承認案・関連法案の成立を最優先する。対する野党は徹底抗戦の構え。重要法案がめじろ押しとなる中、TPP審議をめぐる攻防が最大の焦点となる。会期は11月末まで。

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 ■与党 最優先はTPP 米大統領選前の通過目指す

 ◆「共謀罪」取り下げ

 政府・与党は26日に提出する平成28年度第2次補正予算案を10月中旬までに成立させる方針で、成立後は速やかに衆院TPP特別委員会の審議を始め、10月末に承認案などの衆院通過を目指している。11月8日の米大統領選前に衆院を通過させることで、米国内での早期承認を促す狙いだ。

 首相を支える自民党の二階俊博幹事長ら党執行部もTPP最優先の布陣を敷いた。衆院TPP特別委員長をめぐり、先の通常国会で「TPP交渉の内幕暴露本」問題で、野党の批判を招いた西川公也氏から、安定感のある塩谷立元文部科学相に交代させた。対決法案になりかねない「共謀罪」を創設する組織犯罪処罰法改正案の臨時国会提出を見送り、TPP審議に影響する要因を排除した。

 ◆石原担当相に照準?

 ただ、不安材料も少なくない。答弁に不安定さが残る石原伸晃TPP担当相に加え、8月の内閣改造で起用された山本有二農林水産相のTPPに関する答弁力は未知数だ。衆院通過を目指す10月末までには、東京10区と福岡6区の衆院補欠選挙が控えている。野党としては格好の選挙向けパフォーマンスにもなり、特定の閣僚に照準を絞って失言を引き出そうとする可能性もある。

 1月に辞任した甘利明前経済再生担当相の金銭授受疑惑に加え、高速増殖炉原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の廃炉を含め抜本的に見直す政府方針についても、野党側が追及を強める展開も予想される。

 TPP承認案・関連法案の成立を急ぎ、野党の抵抗を押し切って強行採決に持ち込めば、野党側が審議拒否など態度を硬化させるのは必至だ。自民党内でも与野党協調を重視する参院側では慎重審議を求める声が多い。

 「(会期の)延長も十分あり得る」。松山政司参院国対委員長は召集日の閣議決定すらされていない8日の時点で延長を示唆し、発言撤回に追い込まれた。その一方で、「12月上旬までの会期延長は織り込み済みだ」と与党幹部が漏らすように、激しい与野党攻防が見込まれるTPP審議を見据え、会期延長は共通認識となっている。

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 ■野党 カギ握る野田前首相 TPP・増税、民進方針とズレ

 批判一辺倒から「提案型政党」への転換を宣言した民進党の蓮舫代表ら新執行部は、初の国会論戦となる。徹底抗戦で臨むTPP審議のほか、南スーダンで国連平和維持活動(PKO)に携わる自衛隊に新たに付与される「駆けつけ警護」の是非などを中心に追及する構えだ。

 ◆「駆けつけ警護」追及

 民進党は、TPPに関しては「農産品重要5分野が守られていない」として現状での承認に反対姿勢を崩していない。訪米中の安倍晋三首相と会談した米大統領選民主党候補のヒラリー・クリントン前国務長官がTPP承認に慎重な考えを伝えたこともとらえ、山井和則国対委員長は「前のめりに審議を進める必要はない」とクギを刺す。

 さらに、民進党が追及姿勢を鮮明にするのが、南スーダンで想定される自衛隊の駆けつけ警護の任務だ。

 自衛隊から離れた場所で襲撃された国連職員らを救援する際、初めて任務遂行型の武器使用に至る可能性がある。山井氏は「戦後初めて自衛隊が銃撃戦に巻き込まれ、死傷するリスクが高い」と批判。国会論戦で共産党など野党連携の象徴として、想定される任務遂行の形態などを追及し、政権に打撃を与えたい考えだ。

 ただ、幹事長に起用された野田佳彦前首相の存在がネックになる可能性がある。山井氏と連携して国会運営を仕切る役割だが、野田氏といえば、首相時代にTPP交渉参加に向けた関係国との協議入りを決断した当事者で、現在の党方針と立場は異なる。

 消費税増税をめぐっても野田氏は平成24年、旧民主、自民、公明の3党合意に基づく消費税増税を柱とした社会保障と税の一体改革を主導。関連法案を成立させたが、旧民主党の分裂を招いた。

 政府は臨時国会で、消費税率引き上げを再延期するための税制改正関連法案を提出する予定だ。消費税増税論を唱えてきた野田氏が、参院選前に再増税延期を決めた党方針とどう折り合いをつけるのか。持論を押し通せば党内政局にも発展しかねず、野田氏自身が攻勢の「壁」となる展開も予想される。

最終更新:9月23日(金)8時4分

産経新聞

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