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北水害で韓国二分 野党「支援は人の道理」 政府「正恩、笑ってる」

産経新聞 9月23日(金)7時55分配信

 【ソウル=名村隆寛】北朝鮮で起きた水害に対し、韓国の野党や市民団体などが「人道的支援」を訴えている。だが、核実験や弾道ミサイル発射を続ける北朝鮮に対し韓国政府は制裁を強めており、人道的次元であれ支援はしない構えだ。

 北朝鮮の水害は、先月末から今月初めにかけて最北部の咸鏡北道(ハムギョンプクト)で起き、少なくとも138人が死亡、数百人が行方不明とされる。

 韓国の最大野党「共に民主党」の禹相虎(ウ・サンホ)院内代表は20日、韓国での余剰米を北朝鮮の水害被災地域に送ることを提案。「国民の党」の朴智元(パク・チウォン)非常対策委員長も「人道的次元での支援は人間の最低限の道理だ」とし、核実験にかかわらず「困難に直面する兄弟を見捨てることは罪だ」との立場を示した。

 しかし、北朝鮮は5回目の核実験に続き、20日に新型の長距離弾道ミサイルのエンジン燃焼実験を発表したばかり。韓国統一省は同日、対北支援を希望する韓国の市民団体が第三国で北朝鮮と接触することを認めない方針を明らかにした。

 さらに、統一省報道官は21日の定例記者会見で、エンジン燃焼実験に立ち会った金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が「にこにこ笑っている」と指摘し、こうした状況下での対北支援は不適切だとの立場を強調した。

 韓国では保守系メディアが、「金正恩が核実験や弾道ミサイルの発射の成功を喜んでいる一方で、水害地域では住民が素手で復旧に当たっている」などと、国民を顧みない金正恩氏を批判している。

 また、北朝鮮の核実験などの武力挑発に対し、韓国政府は国際社会に向けて対北制裁強化を呼びかけている。過去の対北食糧支援が北朝鮮で軍部に横流しされた経緯もあり、慎重にならざるを得ない立場にある。

最終更新:9月23日(金)10時50分

産経新聞