ここから本文です

米南部、警察官が黒人射殺 住民抗議、一部暴徒化 1人重体、非常事態宣言

産経新聞 9月23日(金)7時55分配信

 【ニューヨーク=上塚真由】米南部ノースカロライナ州シャーロットで20日、黒人男性が警察官に射殺され、直後から住民による抗議活動が起きた。抗議は21日夜も続き、一部が暴徒化して警察と衝突、男性1人が撃たれて重体となった。警官4人も負傷。同州のマックロリー知事は同日、非常事態宣言を発令し、事態の沈静化を急いでいる。

 一方、南部オクラホマ州タルサでも16日、丸腰の黒人男性が白人の女性警察官に射殺される事件が発生。警察批判が再び強まり、オバマ大統領は21日、シャーロットとタルサの両市長と電話会談し、平和的に抗議活動を行うよう訴えた。

 シャーロットの暴動の発端は、駐車場で20日、黒人のキース・スコット氏(43)が警察官に撃たれた事件。警察は、同氏に持っていた銃を捨てるよう指示したのに従わなかったため発砲したと説明しているが、遺族は「手に持っていたのは本だった」とし、主張は食い違っている。

 22日、警察幹部が記者会見し、捜査用カメラの映像からは「(スコット氏が)銃を向けていたとの完全な証拠は確認できなかった」と述べた。映像は公開しないが、求めに応じて遺族に見せるとした。

 抗議活動は21日未明までに一度は沈静化したが、同日夜から数百人が再開。一部が暴徒化し、警察は催涙ガスなどで対抗した。衝突の最中に撃たれた男性について、市は、警察ではなく他のデモ参加者に発砲されたと発表した。

 深刻化する警察と黒人社会の対立は、11月の大統領選の争点にもなっている。「法と秩序」を掲げる共和党候補のトランプ氏は22日に行った講演で、一連の事件について「悲劇的だ。安全な米国を取り戻そう」と訴えた。一方、黒人らの支持を受ける民主党候補のクリントン前国務長官は21日のフロリダ州での集会で、「事件について分からないことは多いが、警察官に殺害された黒人のリストに2人の名前が加わったことは知っておくべきだ」とし、「耐えられず、許し難い」と述べた。

最終更新:9月23日(金)8時10分

産経新聞