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中国・お騒がせ実業家、疑惑続々 「反腐敗」の標的か

産経新聞 9月23日(金)7時55分配信

 【北京=西見由章】中国の実業家、陳光標氏(48)をめぐる疑惑を中国メディアが一斉に報じ、波紋を広げている。派手なパフォーマンスで知られる慈善家のイメージが虚像だったことを暴露する内容だ。陳氏と関係のある中国共産主義青年団(共青団)派の有力者、李源潮国家副主席が来秋の党大会で最高指導部入りするのを牽制(けんせい)する動きとの観測もある。

 中国のニュースサイト「財新ネット」は20日、今年7月に収賄罪などで無期懲役の実刑判決を受けた令計画・前人民政治協商会議副主席の汚職事件にからみ、陳氏が2015年ごろから当局の調査を受けていたと報道した。

 記事は、陳氏の経営する南京市の会社が慈善活動組織や政府機関などの公印を170個以上偽造し、寄付金の受領証を捏造(ねつぞう)するなどしていたとも指摘。陳氏が内陸部などに建設したと主張している小学校が一つも実在しないとし、12年までに20億元(約310億円)以上と主張する寄付の総額も、大部分が水増しされていた疑惑を伝えた。

 これに対し陳氏は21日、記事が名誉毀損(きそん)にあたるとして財新ネットの運営会社を相手取り、100万元の損害賠償と謝罪を求める訴訟を起こした。

 陳氏は江蘇省出身で、環境保全ビジネスで成功したとされる。13年には16トン分の百元札を積み上げた壁とともに記者会見して話題を集めた。米紙ニューヨーク・タイムズに「尖閣諸島は中国領土だ」と主張したり、安倍晋三首相に靖国神社への参拝を断念するよう求めたりする意見広告を相次いで出し、中国政府とのつながりも指摘されていた。

 財新ネットなどの報道後、中国のネット上には陳氏の自宅で撮影したとされる陳氏夫妻と令計画氏、李源潮氏が1枚の写真におさまった画像が拡散した。南京市や江蘇省のトップを歴任し、陳氏との関連が指摘される李氏のダメージになるとの見方もある。一部の香港メディアは、財新ネットの編集幹部と反腐敗キャンペーンを指揮する王岐山党中央規律検査委員会書記が太いパイプを持つことも指摘し、政治的背景をにおわせている。

最終更新:9月23日(金)8時23分

産経新聞