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<イタリア地震1カ月>迫る冬「あと数日が限界」…現地ルポ

毎日新聞 9月23日(金)18時57分配信

 イタリア中部地震から24日で1カ月。最大被災地アマトリーチェでは、余震が絶えない中、被災者の荷物の搬出作業が続く。郊外では仮設学校での授業が始まり、当局は緊急避難用のテント村を早期に閉鎖し、再建・復興段階に移りたい考え。だが、被災者は「次の行き先が分からない」と不安げだ。【アマトリーチェで福島良典】

【写真特集】どんな規模の地震だったのか「アマトリーチェの様子」

 ◇3000人、依然テント暮らし

 「この小道は危ないから足早に通り過ぎるように」。手渡されたヘルメットを着用してアマトリーチェの中心部に入ると、消防隊員から指示が飛んだ。余震による家屋崩落の危険があるためだ。

 地震による死者297人の8割近くがアマトリーチェに集中した。観光客が下敷きになった老舗宿泊施設「ホテル・ローマ」は捜索作業で解体されて、がれきの小山と化し、近くにマットレスや枕が積まれている。

 石造りの建物が倒壊し、がれきで埋まった目抜き通り。赤褐色の5階建て雑居ビルが1棟だけほぼ無傷で残っている。1950年代の建造だが、堅固な構造だったために倒壊を免れ、地震後、「赤いお屋敷」として復興のシンボルになった。

 このビルに消防隊員がはしごを架け、アパートに残された被災者の所有物を運び出す。「今の主な活動は荷物の搬出。だが、がれきを取り去らないと作業ができない地区もあり、徐々に進めるしかない」と隊員が説明する。

 郊外では9月13日に幼稚園と小中学校の合同仮設学校が開校し、冬に備えて屋根の増築工事が進む。「10月中旬には高校も開校する。少なくとも来年1月まではここで授業が行われる」と現場責任者のブルーノ・ロレンゴさん(50)。

 当局の点検で被災地の建造物の約半数は「居住不可能」と判断され、点在するテント村などでは依然、計約3000人の被災者が暮らす。暖房器具はあるが、夜間の最低気温は5~6度。ジノ・アレグリッティさん(36)は「これから寒くなるし、毎日、余震がある。テント暮らしはあと数日が限界だ」と話す。

 伊メディアによると、アマトリーチェの郊外が村の再建候補地になる見通しで、ピロッツィ村長は「23日にテント村の解体に着手する」と宣言。レンツィ首相は23日、「元通りに、かつさらに美しくなるように再建する」と約束した。

 しかし、被災者は将来への不安を抱えている。ロベルト・モレッティさん(49)は「自宅が『居住可能』と判断されても、当局の連絡がないので戻れない。テント村に残る人が多いのは『次にどうなるのか』分からないからだ」と語った。

最終更新:9月23日(金)22時32分

毎日新聞

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。