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<英国>メイ首相、課題山積…EU離脱へ交渉時期未定

毎日新聞 9月23日(金)21時5分配信

 ◇国民投票3カ月

 【ロンドン矢野純一】英国民が欧州連合(EU)離脱を選択した国民投票から23日で3カ月がたつ。英政府は過去に例のない離脱交渉の開始時期や方針をまだ明らかにしていない。国民投票後に就任したメイ首相は難しいかじ取りを迫られている。

 「英国はEUに権限を移譲してきたため、(交渉を支える)官僚や外交官が少ない」。今月5日、ロンドン市内で講演した英外務省のサイモン・フレーザー前事務次官は英国側の根本的な問題を指摘した。

 メイ氏はEU離脱省と国際貿易省を新設したが、両省に異動する官僚を巡って省庁間で綱引きが行われ、組織の体制も十分に整っていない。外務省、新設2省のどこが、離脱を巡る政策を主導するかも不明確だ。

 主要閣僚内でも意見の隔たりは大きい。国民投票では残留派で、予算を握るフィリップ・ハモンド財務相は、単一市場優先派。一方、離脱派だったデービッド・デービスEU離脱相とリアム・フォックス国際貿易相は、移民抑制優先派だ。メイ氏は、議会で野党議員から、どちらを優先するか追及されても答えをはぐらかしている。

 離脱交渉の開始時期すら決まっていない。ジョンソン外相は22日、英BBCのインタビューに「多分、来年1月か2月」と答えた。しかし、来年春にはフランス大統領選、来秋にはドイツ総選挙が控えているため、英シンクタンク「オープン・ヨーロッパ」のラウル・ルパレル共同代表は「独仏選挙後」とみる。交渉期間は原則2年間。両国の選挙期間中は交渉が停滞する可能性が高く、貴重な交渉時間を無駄にする可能性があるからだ。

 一方、メイ氏の政権内での基盤は盤石ではない。閣僚だけでなく、残留派が半数以上を占める保守党もまとめ上げなければならない。さらに離脱派は単一市場優先派と、移民抑制優先派に分かれる。

 メイ氏は「議会の承認を得ずに交渉に臨む」と説明するが、フレーザー前事務次官は「考えられない」と批判。議会承認が必要となれば混乱は必至だ。また、メイ氏は保守党議員の投票で首相に選ばれたため、総選挙で国民の信任を得ていない。英シンクタンク「ボウ・グループ」のベン・クイニー代表は「党内で不協和音が表面化すれば、総選挙実施の声も上がり、メイ氏は厳しい立場に立たされる」と指摘する。

最終更新:9月23日(金)21時5分

毎日新聞

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

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昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。