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<豊洲市場>30日に報告延期 都知事「あいまいな点残る」

毎日新聞 9月23日(金)21時36分配信

 東京都の豊洲市場(江東区)の主要建物下に盛り土がされなかった問題で小池百合子知事は23日の定例記者会見で、都議会定例会開会の28日までにまとめるとしていた中間報告について、公表を30日に延期する意向を示した。「報告ではあいまいな部分を残している」と述べ、都が担当職員らを対象に実施している聞き取り調査で、不十分な点や証言に整合性に欠ける部分があると示唆した。

 小池知事はパラリンピック閉会式出席で訪問していたリオデジャネイロから帰国した21日、聞き取り調査に関する報告を受けた。23日の会見では報告の内容について「『(土壌汚染の有無を調べる)モニタリングなどのための作業空間が必要だった』とか『建設設計を進める過程で盛り土しない方針が固まっていた』などという説明があったが、あいまいな部分を残している」と述べた。

 建物下の空洞は、土壌汚染が再び見つかった場合に重機を入れて掘り返す目的でつくられたことなどが都幹部らの証言で判明している。ただ、小池知事は「いつ誰が盛り土をしないことを決定したのか。建物の下に盛り土をしていなかったことを知っていた職員が、なぜ(土壌汚染対策を検討する外部有識者の)専門家会議に意見を求めなかったのか。調べる量が膨大」と話した。現時点までの聞き取り調査では、こうした点について証言が十分に得られていないとの見解を示した。

 さらに小池知事は、専門家会議が設置された2007年5月以降に担当部局の中央卸売市場トップの市場長を務めた5人が、都の調査に「建物下にも盛り土があると思っていた」と説明していることに言及し「誰のお金でやっていて、誰のための市場なのか。無責任体制と言わざるを得ない」と厳しく批判した。一方で「犯人捜しをしているわけではなく、都職員が自律改革できるかどうかの試金石だ。報告書は都政全体の在り方を問うものになる」と述べた。

 都は今後も調査を継続する。また、都庁内に設置された「市場問題プロジェクトチーム」(PT、座長=小島敏郎・青山学院大教授)は29日に第1回会合を開き、市場移転の経緯などについて議論を始める。小池知事は調査とPTの議論の結果を受け、移転の可否や時期を判断するとしており、結論が出るまでには一定の時間がかかるとみられる。

 都は23日、豊洲市場の青果棟の地下で14日に採取した水から1リットルあたり0.001ミリグラムの鉛(環境基準値1リットルあたり0.01ミリグラム)が初めて検出されたと発表した。14日採取分ではこのほか、青果棟で1リットルあたり0.005ミリグラムのヒ素(同)、水産仲卸売場棟で0.002ミリグラムのヒ素が検出された。【川畑さおり、円谷美晶、柳澤一男】

最終更新:9月23日(金)21時40分

毎日新聞