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<米ヤフー>売却計画に影響も…5億人情報流出

毎日新聞 9月23日(金)22時24分配信

 【ワシントン清水憲司】米インターネット大手ヤフーは22日、2014年にサイバー攻撃を受け、少なくとも利用者5億人分の個人情報が流出したと発表した。米ヤフーは「国家が関与したサイバー攻撃」とみており、連邦捜査局(FBI)も捜査に乗り出した。

 米ヤフーによると、流出したのは氏名やメールアドレス、電話番号、生年月日などの顧客情報。クレジットカードや銀行口座の情報流出は確認されていないという。米ヤフーは情報が流出した可能性のある利用者に連絡を取り、パスワードの変更などを呼びかけている。

 流出したのは米ヤフーが世界に持つ10億人の会員の半分に及ぶ。個人情報流出としては過去最大規模とされ、IT事業者としての信用が失墜するのは必至だ。米ヤフーは7月、中核事業を米通信大手ベライゾン・コミュニケーションに売却することを決めたが、今回の問題で利用者離れが進めば売却計画に影響する可能性もある。

 経営不振に陥った米ヤフーの中核事業をベライゾンが買収するのは、知名度と顧客基盤に支えられた「ヤフーブランド」を取り込むためだ。米ヤフーは、検索事業ではグーグルに、ネット広告ではフェイスブックに後れを取り、成長の道筋を示せないでいた。

 しかし、今回の情報流出を受けてブランドが傷つき、利用者離れが進むなどすれば、ベライゾンにとって買収効果は薄れる。米メディアによると、ベライゾンは情報流出について「限られた情報しかない」としたうえで「総合的な利益の観点から(影響の度合いを)判断する」と述べた。

 一方、FBIによる捜査は、サイバー攻撃の主体や目的の解明が焦点となる。今回は実際に外国政府が関与したのかどうかは不明だが、14年には、ソニーの米映画子会社が、映画の公開をやめさせようとする北朝鮮政府からサイバー攻撃を受けた。

 ◇日本「影響なし」

 米ヤフーの個人情報流出を受けて、日本のヤフーには23日、情報流出を心配した利用者から、インターネットサイト「ヤフージャパン」の問い合わせフォームを通じて質問が相次いだ。

 日本のヤフーは、米ヤフーとは別法人が運営。個人情報を管理しているデータベースが米ヤフーとは異なり、2014年の同時期にサイバー攻撃を受けた事実はなく、利用者の情報流出といった被害は確認されていないという。ただ、日本から米ヤフーの会員になっている場合は注意が必要だ。【田口雅士】

最終更新:9月24日(土)0時45分

毎日新聞