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<富山市議会>政活費「返納するな。増額提案できない」

毎日新聞 9月23日(金)22時43分配信

 「一度支給された金は使い切ってしまおう」。政務活動費を巡る不正が相次いだ富山市議会のそんな体質が、全国市民オンブズマン連絡会議の調査で浮かび上がった。一方、政活費については、領収書のインターネット公開などで、執行率が低下している議会もある。透明性の向上と厳しいチェック体制が不正防止のかぎになりそうだ。

 「(政活費を)返納するな。使い切ってくれないと(議員報酬の)増額提案ができない」。8月末、不正請求を認めて市議を辞職した自民会派の中川勇元会長は、未使用の政活費を過去に返還した共産の市議にこう語ったという。公金への意識の低さが不正請求による使い切りにつながったとみられる。

 2015年度の執行率が、最低の46.4%だったのは函館市議会。政務活動費(当時は政務調査費)の一部支出を違法と判断した10年9月の札幌高裁判決や市民からの陳情を受け、11年6月に領収書などを全国で初めてネット上で公開した。以降は「議員の意識の高まりと透明性の向上で、執行率は年々低下している」(市議会事務局)。

 同連絡会議によると、ほかに兵庫県や西宮市、大津市など8議会が領収書をネット上で公開し、大阪府や愛知県、鳥取県など13議会がデータをCDなどで交付しており、比較的執行率が低い議会が多い。

 「号泣会見」で注目され、詐欺罪に問われた野々村竜太郎・元兵庫県議が所属した兵庫県議会は15年度は66.4%。野々村氏の問題発覚前の13年度は87.8%、発覚した14年度は76.8%で、低下が続いている。

 富山市議会は情報公開請求すれば、支出報告書や領収書のコピー(1枚10円)が受け取れるが、ネット公開については、市議会内の「議会改革検討調査会」の検討事項に上がっただけで、「議論に入る前に今回の問題が発生した」(市議会事務局)という。

 ネット公開による透明性の向上に加え、同連絡会議事務局長の新海聡弁護士は「政活費を補助金と同じ扱いにし、事前に積算根拠を出させて第三者のチェックを受けたものだけを支給すべきだ」としている。【木下訓明、岩崎邦宏】

最終更新:9月23日(金)22時43分

毎日新聞