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ゼロになっても大丈夫、イトヲカシ 失敗してきたからこそ伝えたい/インタビュー

MusicVoice 9/23(金) 10:30配信

 伊東歌詞太郎(Vo)と宮田“レフティ”リョウ(Ba/Gt/Key)による2人組ユニットのイトヲカシが9月21日、シングル「スターダスト/宿り星」でメジャーデビューした。12年に結成。路上ライブを中心に活動を続けていくなかで、ネット上に投稿した楽曲動画が評判を呼び、注目される存在に。13年以降は全国路上ライブツアーを展開し、これまでに3万人以上を動員した。今年5月発売の初全国流通ミニアルバム『捲土重来』でオリコンウィークリー5位(インディーズチャート1位)を獲得すると、デビュー前にも関わらず、今年の『ROCK IN JAPAN FES. 2016』に初出場を果たした。メディアでの顔出しはおこなわず、素顔はファンと直に会えるライブのみ。そんな彼らの持ち味は、日本語を大事にした歌詞、メロディセンス、そして力強い歌声だ。今回は2人に、ユニット結成の経緯や新譜に込めた想いなどを聞いた。そこで語られたのは、多くの失敗を重ねてきた彼らだからこそ胸を張って言える「ゼロになったって大丈夫じゃない? やってみようよ!」という背中を押す思いだった。

解散したタイミングが同じだった

――イトヲカシを本格的に始動する前は各人、ニコニコ動画で活躍されていました。なぜ、今回、ユニットとして活動していくことになったのでしょうか。

伊東歌詞太郎 僕らは中学からの同級生なんです。初めて組んだバンドが一緒で、そのバンドはすぐに解散してしまったんですけど、それからお互いに違うバンドをやって、そのバンドも解散したので連絡を取り合ったんです。解散したタイミングがたまたま同じで、こんなに奇遇だったらもう一回どっかで何かやれないかなと思って。それで、イトヲカシとして動画投稿を始めたんです

――こうしてメジャーデビューとなりますが、今のお気持ちはどうでしょうか。

伊東歌詞太郎 それぞれ違うバンドをやっていた頃から、バンドへの憧れや夢は変わっていないんです。例えば、大型のフェスに出たいとか、紅白歌合戦に出たい、ミュージックステーションに出たい、武道館でライブをやりたいとか。たとえ「なんで?」と言われても、その理由は「ただ憧れているからだよ」ということなんです。その中のひとつにメジャーデビューもあったんです。

 なかには、そのメジャーデビューでさえも「メジャーデビューする意味って何?」とか、「昔に比べてメジャーデビューというのはステップアップの力が弱いんじゃないの」と言われることもありますが、「俺たちはメジャーデビューに夢を見てんだよ!」という気持ちが凄くあるんです。そうしたなかで、6月におこなったライブ『イトヲカシ first one-man tour 「捲土重来」』の千秋楽でメジャーデビューを報告したときに、ファンの方が自分の予想の3倍ぐらい喜んでくれたんです。中には泣いている方もいて、こんなにも自分のことのように喜んでくれるんだなと思いました。

 メジャーデビューするにあたって関わってくれた人たちが徐々に増えていって、それは僕らに期待をしてくれているからだと思うんです。ファンの人も色んな人も含めて僕らは成功して、とにかく一緒にみんなで幸せにならなければならない。その通過点がメジャーデビューだと思っています。

宮田“レフティ”リョウ メジャーデビューを発表したときに凄く喜んでくれるお客さんが沢山いて僕らもびっくりしました。その反面、TwitterなどのSNSでは「メジャーデビューして遠くなってしまうんですね」というようなメッセージもあったり。でも僕らは、戦っていくフィールドは変わっていくかもしれないけど、スタンスを変えるつもりは一切ないんです。それを証明するために、という訳じゃないですけど、メジャーデビューと同時に全国路上ライブツアーの開催を発表したんです。

 路上ライブというのは僕らの活動の中で凄く大事な柱の一つになっていて、一生続けていきたいなと思っている活動なんです。お客さんと凄く近い目線でライブをやれるという所も失わずにずっとやっていきたい。そこだけはぶれないでいようと思います。もちろん僕もメジャーデビューに憧れ続けていた人間なんで凄く嬉しいですけどね。

――最近色々なフェスに出られていると思うのですが、その中でも国内最大級のフェス『ROCK IN JAPAN FES. 2016』に出演されてみていかがでしたか?

伊東歌詞太郎 ご存知の通り、バンドマン100人いたら、間違いなくその100人が「出たい!」と言う憧れのステージです。僕らも喉から手が出るほど出演したかったですし。それにまず出演させてもらえたというのが凄く嬉しくて。僕らはWING TENTという3000人が入れるステージでのトップバッターだったんですよ。しかも、WING TENTの枠を超えるお客さんが来てくれて。

 これだけ憧れていたステージに僕らは今立っていて、こんなにも楽しいライブが出来ているとが不思議で、僕はそのときに改めて「なんで実現できたんだろう?」と考えたんです。そこの答えはやっぱり、僕たちを良いと思ってくれる人たちがいて、その人たちの思いが積み重なって、その声が主催者の方々に届いて僕らを呼んでくれたんだと思うんです。自分が出たかったステージは、お客さんや色んな人から頂いた“ご褒美のステージ”なんです。そういうことを実感しながら、ステージ上で歌っていました。

宮田“レフティ”リョウ 僕も同じように感じていて、ステージ上から見えた景色は素晴らしかった。『ROCK IN JAPAN FES.』に出られるって当たり前のことじゃないですし。

――出演できる割合は本当に僅かですよね。

宮田“レフティ”リョウ 割合で言ったらどれくらいか分からないけど、あのステージに立てることは当たり前のことじゃないから本当に感動しましたね。押し上げてくれたのは間違いなく僕たちを応援してくれている皆さんですから。皆さんと素晴らしい景色が見られて嬉しい気持ちと感謝の気持ちが大きくて。もっともっと良い景色を見せてあげたい、連れて行ってあげたいと思ったんです。

 WING TENTでのライブが終わった後に改めてGRASS STAGEを見渡した時に、イメージを超えるぐらいにステージが大きく見えたんです。これを見たらミュージシャンだったら「絶対ここに立つまで辞めねーぞ」という気持ちが湧いてきますね。その為には、色んな人を巻き込んでいかないといけないし、この日、WING TENTに集まってくれた人も一人残らず連れていきたいなと思っています。皆で良い景色をみたいですね。僕らはそれをするのが使命だと思うので。そういう風な気持ちを強く持った、新しい夢ができた一日でもありました。

――『ROCK IN JAPAN FES. 2016』で他のアーティストさんのステージは見られましたか? その中でも刺激を受けた方がいたら教えてください。

伊東歌詞太郎 好きなバンドはなるべく観に行きました。どのアーティストさんにも凄く感銘を受けたんですけど、湘南乃風さんはやっぱりフェスで見てもカッコいいなと改めて思いました。湘南乃風さんは日本でタオルを回すという文化を作ったと言っても過言ではない方です。いろんなアーティストのファンが集まるフェスで、6万人が同じことをして一つになるということは、めちゃくちゃ難しいと思うんですよ。それなのに、会場が一つになっていましたからね。

 その後に見たWANIMAさんも凄く音楽を楽しんでいるというのが伝わってきたし、LiSAさんは昨年武道館ライブを見させてもらったんですけど、その頃よりもまたさらにカッコよくなっていました。ボーカリストとしては、凄く悔しいという思いもあるけれど、自分もこの1年でどのくらい成長したんだろうと考えさせられました。MONGOL800さんのステージも見ることができて嬉しかったですね。もう一人は黒木渚さんです。過去に対バンした仲間で、こうしてあのステージで見られたというのは刺激になったし「負けていらんないな」という気持ちにもなりました。

宮田“レフティ”リョウ 僕は黒木渚さんの編曲を一緒にやっているので見方がまた違いました。この後、残念ながら喉の治療のために活動休止しちゃうんですけど、それがありながらも一生懸命に発信している姿を見ていたら、凄く心にくるものがありました。

 それと、僕はSUPER BEAVERさんも凄く好きで。なのに、彼らのライブは長いこと観られていなくて、あの場で久しぶりに観ることが出来て嬉しかったですね。彼らが色んな経験を積み重ねてきたことも知っているから、ステージ上から彼らのファンに対する感謝の気持ちは凄く伝わってきました。僕らも同じように観に来てくれた皆さんへの感謝というものは常に忘れないように発信し続けていきたいと思いました。

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最終更新:9/23(金) 10:30

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