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韓国で頻発する地震、熊本と同じ地殻変動? 研究者「西日本なお警戒を」

西日本新聞 9月23日(金)9時54分配信

 韓国で最大級とされた12日を含む一連の地震について、日本の研究者から「熊本地震を引き起こしたのと同じ地殻変動が原因」とする見方が出ている。南海トラフ地震を引き起こすフィリピン海プレートが、九州や朝鮮半島を載せた大陸側プレートを押し込み、その力が「地震はない」とされてきた韓国に及んだという分析。地殻変動は南海トラフ地震まで続く可能性があり、研究者は「西日本でも引き続き注意すべきだ」と警戒を呼び掛けている。

【図解】プレートの動きと内陸地震

 韓国での地震は12日午後8時32分に発生。震源は韓国南東部の慶州市で、マグニチュード(M)は5・8。直前の午後7時44分には近くでM5・2を観測し、19日夜にもほぼ同じ場所でM4・5の余震があった。7月5日にもウルルン断層が走る蔚山(ウルサン)沖でM4・9の地震が起き、韓国国民を驚かせた。

「熊本地震と同じ地殻変動、力のかかり方で発生」

 産業技術総合研究所(茨城県つくば市)の石川有三招聘(しょうへい)研究員は、一連の震源を梁山(ヤンサン)断層付近、震源の深さを数キロ~15キロと分析。12日の最大地震は「震度5強、場所によっては6弱」と推測し、熊本地震と似た浅い内陸地震とみている。東京大地震研究所の佐藤比呂志教授(構造地質学)も「熊本地震と同じ地殻変動、力のかかり方で発生した」と指摘する。

 熊本地震ではフィリピン海プレートが沈み込む際、九州東部から大陸側プレートは北西方向に押し込まれる一方、九州南部は沖縄トラフの影響で南へ押される力が働き、断層面のずれを生じさせたとされる。同じような力によって韓国の地震が起きたとの見方だ。

朝鮮半島の日本海側に原発が立地

 南海トラフ地震は100~200年周期で起き、その50年前くらいから内陸地震が起きやすくなる。神戸大の石橋克彦名誉教授(地震学)は、阪神大震災や福岡沖地震、熊本地震も一連の内陸地震と捉えており「韓国の地震も大局的にはその一つ」とみる。

 朝鮮半島はプレートが潜り込む場所から離れているため地震の記録が少ない。それでも、1681年には日本海側でM7・5級が発生した調査結果があり、26年後の1707年に南海トラフ沿いで日本最大級の宝永地震が起きている。

 佐藤教授は東日本大震災の影響も挙げる。同地震で東北沖のプレート間で蓄積されていた力が解放され、大陸側プレートが動きやすくなり、韓国での地震を誘発したとの考え。韓国ではこの説が主流だが、佐藤教授は「二つの要因が複合的に作用した可能性もある」と分析する。

 懸念されるのは原発だ。朝鮮半島の日本海側には月城(ウォルソン)、古里(コリ)の両原発が立地する。事故は日本への影響も考えられるだけに、韓国内の断層を調査した経験がある名古屋大の鈴木康弘教授(変動地形学)は「韓国の活断層をしっかり調べることが必要だ」と提起する。

=2016/09/23付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞社

最終更新:9月23日(金)12時25分

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