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SBS価格偽装 公表より安く販売 米卸「最大60キロ3600円」 国産 影響の可能性

日本農業新聞 9月23日(金)7時0分配信

 輸入米の売買同時入札(SBS)の価格偽装取引を巡る問題で、最大で米1キロ当たり60円程度の調整金を米卸が商社から受け取っていたことが22日、明らかになった。1俵(60キロ)換算では3600円程度になる。米卸は調整金の相当分を政府が公表する落札価格より安くして、外食などの実需者に販売していた。競合する国産米の価格に影響していた可能性がある。取引に関わった西日本の中堅米卸幹部が日本農業新聞の取材に応じ、取引の実態を明らかにした。

 同社は10年以上前から複数の商社とペアになりSBS入札に参加し、「当初から調整金のやり取りがあった」と明言する。輸入米の調整金は「多いときで、1キロ当たり60円程度、少ないときは20~30円」だといい、国産米の価格が高かった2011、12年ごろには60円を超えたときもあった。

 13年産の取引では、調整金は40円程度だった。ある月には350トンの輸入米を扱い、同社は計1400万円の調整金を商社から受け取っている。仕入れた輸入米は主に、回転ずしやカレー専門店などの飲食店、ドラッグストアなどに販売した。

 同社が商社と交わした複数の契約書類には、「調整金」の名目で具体的な金額が記載されている。取引価格は、同省公表の入札価格と、調整金を差し引いた実質価格の、2通りが明記されている。

 13年のSBS入札で落札したオーストラリア産「コシヒカリ」の場合、公表されている入札結果は、商社の仕入れ価格が1キロ145円で、米卸への売り渡し価格が200円だった。入札のマークアップ(輸入差益)は1キロ55円。

 だが、商社の実質の仕入れ価格は107円で、公表の145円との差額38円を調整金として設定。米卸に対しては、公表の200円から38円を差し引いた162円で実質売り渡した。米卸は、この価格に運賃などを上乗せして、190~200円程度で飲食店、ドラッグストアなどに販売した。

 同幹部は「輸入米は炊飯時に割れやすい(水浸割れ)など、品質面でリスクがある。公表価格では売れない。調整金がなければ扱いたくない」と語る。また「農水省が公表するSBS価格が高いほど、調整金を引いた実際の取引価格が割安に映り、実需に売りやすくなる」とも証言した。

 同幹部は調整金のやり取りについて「取引業者の法律違反はない。問題があるとすればSBSの仕組みだ」との認識を示した。

日本農業新聞

最終更新:9月23日(金)7時0分

日本農業新聞

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