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農水省が国際機関に承認働きかけ、日本発の食品安全管理規格が“メードインジャパン”を救う

日刊工業新聞電子版 9/23(金) 16:21配信

“国産だから安全”は通用しない世界の食材市場

 農林水産省は、日本発の食品安全管理規格「JFS-E-C」の普及に取り組む。第1号案件として日清製粉の鶴見工場(川崎市川崎区)が認証を取得。これを機に、1年内に合計10件以上の取得を目指す。取得件数を増やすことで存在感や影響力を向上。米国ウォルマートなど流通大手が加盟する世界食品安全イニシアティブ(GFSI)をはじめとする国際機関に承認を働きかけ、農産物の輸出拡大につなげる。(編集委員・嶋田歩)

 食品安全管理規格の国際化で先行しているのは、オランダ発のFSSC22000、ドイツ発のグローバルGAPやIFS、米国発のSQFなど。日本発のJFS-E-C規格は、FSSC22000をベースに、食品安全マネジメント協会(東京都千代田区)が策定した。

■問題点カバー
 食品安全規格は欧米発のものが多いだけに、国内メーカーが取得するとなると英文和訳をはじめ、追加コストが発生する。加えて日本産食品は生鮮物や発酵食品、だしなどが多く、欧米発の規格では現場での利用に合わないこともある。日本発の安全規格ならば、こうした問題点をカバーできる。

 JFS-E-C規格は、中小企業や零細企業でも導入しやすい簡易版規格を設け、生食・発酵食品関連や現場改善提案、食品偽装防止などの規定を盛り込んだ。国内、海外の双方にこれをどれだけ普及・浸透させられるかが焦点になる。

■安全管理が重視
 食品の安全管理規格が必要とされるようになってきた背景には、食材がグローバルに調達されるようになったことがある。グローバル調達が進むにつれ、食品の製造工程や購買、偽装防止などできちんとした安全管理基準が重視されるようになったためだ。

 安全管理規格では、施設設計や水・廃棄物管理、従業員の衛生や健康管理、有害生物防除などをチェック。ハザード制御ではこれに加え、経営者の責任やトップマネジメントの積極的な関与、文書・記録の管理、トレーサビリティーが重要になる。何か問題が起きた時、発生原因がどこにあったかを短期間で突き止め、迅速に防止対策を講じる。ウォルマートやフランスのカルフールなど国際流通大手では、取引にこれらの認証取得を要請することが主流になっている。

■科学データ必要
 日本では「国産食品だから安全だ」との思い込みや神話のもと、こうした対応が遅れてきた。だが単純に「国産だから安全」といった説明が通用するのは国内だけ。認証取得などにより客観的、科学的なデータを示さなければ、取引先企業の信頼は得られない。

最終更新:9/23(金) 16:21

日刊工業新聞電子版