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《ブラジル・コラム》実は政府自身がインフレの原因か?

ニッケイ新聞 9月23日(金)5時55分配信

(ブラジル邦字紙「ニッケイ新聞」23日付)


 ブラジルの政治、経済を理解するには「本当の因果関係」を見極める必要がある。経済動向を見るのに最も重要なのは「インフレの原因」をどう考えるかだ。ジウマ前大統領をはじめ、政治家は一般に「インフレのせいで経済は悪化した」というニュアンスで演説する。「政府のコントロールを越えて勝手にインフレが進行する」というイメージで語る。これに違和感を覚えるのは、コラム子ばかりではないだろう。



 軍政末期しかり、ジウマ政権しかり。ブラジルでインフレが増進する時には必ず財政バランスが崩れ、収入に見合わない政府支出の極大化がみられる。収入以上にお金を使うには、その分の国債発行が不可欠であり、結果的に金融市場のマネーが極大化する。それがインフレの最大要因の一つだと感じる。つまり、本当は政府自身がインフレの原因を作っている。

 一旦インフレ気運が始まると、楽だからとすぐに同調する企業が出てくる。商品を値上げする言い訳を政府が与えてくれたと思って喜ぶのだろう。そうなると止まり辛くなる。

 インフレを止めるには、発端である「政府支出」を抑える強い意思表示が必要だ。


 ジウマ政権で10%を超えるインフレになったのは、ミンニャ・カーザやボウサ・ファミリアに代表されるバラマキ的な社会福祉政策の出費が大きい。半分は選挙政策ともいわれるものであり、PTはブラジル北部・北東部の貧民層からの絶大な支持を得るようになった。これらを減額することは政権基盤を揺るがすことであり、どんなに財政が苦しくても、増やしこそすれ減額はありえない。

 その結果、不況で税収が激減しても、支出は増え続ける悪循環に陥った。ジウマは口では「インフレ撲滅」を唱えながら、足では財政出動のアクセルを思いっきり踏んでいた。金を調達するには国債を発行して誰かに買ってもらうしかない。買ってもらうには基本金利(Selic)を上げるしかない。その結果、基本金利に連動した国債の利率は最大年率20%近い利回りとなり、国内外から喜んで買われる。でも、いつかその利子は償還しなければならない。現在のツケを未来の政権に押し付けているだけだ。

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最終更新:9月23日(金)5時55分

ニッケイ新聞