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新海誠、『君の名は。』で“非モテ”から“リア充”な作風へ!? 古参ファンから心配の声

トレンドニュース(GYAO) 9/23(金) 17:41配信

アニメ映画『君の名は。』が、日本のアニメとしては宮崎駿監督の作品以外で初めて興行収入100億円突破を果たした。“ポスト宮崎駿”という声も上がり、一躍超人気クリエイターとなった新海誠監督だが、長年のファンからは不安も寄せられている。

「君の名は。」劇場予告編映像>>

■もともとのファンにとって『君の名は。』は異色作!?

『君の名は。』は、夢の中で入れ替わる少年少女を描いた青春ラブストーリー。美しい背景に加えて、笑いあり、涙あり、SFやファンタジーの要素もある物語展開、さらに若者に人気のロックバンド、RADWIMPSの楽曲をまるでMVのように効果的に使い、100分余りの上映時間がジェットコースターのように駆け抜けていくエンターテインメント全部盛りとでも言うような1作となっている。

そのため新海監督は一般知名度としてはそれほど高くない存在だったにも関わらず、同映画は8月26日に公開開始されるなり、たちまち話題に。アニメファン以外からも支持されて、邦画史に残るヒットを飛ばしている。

しかし長年の新海監督ファンの一部には、この快挙を素直に喜びづらい気持ちもあるらしい。なぜかというと、『君の名は。』はこれまでの新海監督の作風から考えると、異色と言ってもいいような作品だからだ。

■“非モテ”な作風で知られてきた新海監督

これまで新海監督はセカイ系の代表的クリエイターとされてきた。セカイ系といえば、アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』など、世界の危機、そしてその鍵を握るキミとボク……のような、ナイーブな自意識がつきまとう物語のジャンルを指す言葉だ。新海監督が、監督・脚本・美術・撮影とほとんどの作業を1人で手がけたことで話題を呼び、「第6回文化庁メディア芸術祭」特別賞など数々の賞を受賞したデビュー作『ほしのこえ』は、このセカイ系を代表する作品のひとつとして知られている。

近年SF色は薄くなっていったもののナイーブな作風は相変わらずで、アニメファンの間ではある種の称賛を込めて、「新海監督は非モテの気持ちがわかっている」のように評価されてきた。しかし最新作『君の名は。』はどうだろうか。キミ/ボク性はそのままだが、明るく友達も多い男女の高校生のキラキラした恋愛を描き、以前のような鬱屈(うっくつ)とした雰囲気は欠片もない。しかも同映画はデートムービーとしての地位を確立したようで、Twitter上では「『君の名は。』を1人で見に行ったら、周りがカップルばかりで心が折れた」のような自虐ネタが定番となっている。

それだけに、これまでとは大きく異なる作風で作られた『君の名は。』で世間の同監督に対するイメージが定着してしまっては……と長年のファンは寂しく感じているらしい。Twitter上では、

「もしかしたら一般層に流される新海誠を見ていて寂しいのかもしれない」
「新海誠は、鬱屈したリアリティに富んだ感情を描く作風が好きだったのだが」
「完全に新海誠作品のイメージが世間一般で『君の名は。』になってしまった以上仕方ないけど俺は『秒速5センチメートル』みたいな作品がまた観たい」

といった声が上がっている。

■“エンタメ重視”の狙いが成功した次は……

とはいっても、『君の名は。』が広い層に刺さるような作りになっているのは、新海監督が自覚して狙った部分のようだ。監督はさまざまなインタビューで、本作ではエンターテインメント性をかなり重視したことを明かしている。

狙いが見事成功し、『君の名は。』によって“新海誠”の名前はアニメファン以外にも広く知れ渡るようになった。今後も『君の名は。』路線を貫くのか、それとも昔からのファンにはおなじみのナイーブさを徐々に色濃くしていくのか。気の早い話ではあるが、次回作が待たれるところだ。

(文/原田美紗@HEW(http://hewinc.co.jp/))

最終更新:9/23(金) 17:41

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