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[特派員コラム]米国大統領選挙、北東アジア外交

ハンギョレ新聞 9/23(金) 7:24配信

 中国の習近平・国家主席と日本の安倍晋三首相は首脳会談を行った。安倍首相は、12月にロシアのプーチン大統領を日本に招待して首脳会談を行う予定だ。北朝鮮は5回目の核実験を行った。

 このように北東アジアの行為主体(アクター)の一見異質に見える外交行動には、共通点がある。今年11月の米国大統領選挙によって新たに発足する政権との協議や交渉、談判を念頭に置いている点だ。

 彼らが大統領選挙以降を見越した外交だと公式に述べたことはない。これまでの行動から推察したに過ぎない。診断が間違っている可能性もあるが、相手国の動きを注視しつつ、外交的想像力を動員し、(あらゆる事態に)備えることは絶対的に緊要である。

 北東アジアの行為主体たちは、米国の新政権と短くは4年、長くは8年間を付き合わなければならない。中国は「覇権競争」と「協力的共存」、日本は「同盟の強化」と「放棄される恐怖」、北朝鮮は「敵対的関係」と「関係正常化」という、対米関係でもたらされる可能性がある両極端の間で、不確実性をできるだけ減らし、国益は極大化する側に方向を定めなければならない。 外交的空間を拡大し、交渉手段をできるだけ多く確保し、勢力固めをして未来に備えるのは、当たり前のことだ。

 このような文脈で、習近平主席と安倍首相が今月5日、中国杭州で行った会談は注目に値する。南シナ海や東シナ海の緊張の解決に向けた決定的な進展はなさそうだ。にもかかわらず、両国は今後の関係の進展に向けた重要な端緒を開いた。習主席は「両国関係は現在、坂を上って谷を越えて、前進しなければ後退する重要な段階に来ている」と述べた。安倍首相も「困難な課題を引き続き管理し、安定的友好関係を構築していきたい」と答えた。来年は中国と日本の国交正常化45周年になる、いわゆる節目の年だ。関係の回復のための名分と外交的動力を得られるだろう。

 バラク・オバマ政権のアジア再均衡政策を中国に対する牽制もしくは封鎖戦略と認識している中国は、米国の次期政権と対中関係を再設定することを望んでいる。特に、クリントン氏が大統領になれば、韓米日の3カ国間軍事協力はさらに加速化するはずだ。中国は、3カ国の軍事協力の最も弱い一角と考えていた韓国がTHAAD(高高度防衛ミサイル)配備に乗り出したことで、韓国を中立化させることに失敗したと判断するだろう。

 中国の対米政策において確実な切り札となるのは、日本との関係回復、または関係回復の動きだろう。中日が接近する動きを見せるだけでも、アジアに対する影響力が弱くなることを懸念する米国は緊張せざるを得ない。

 日本は日米同盟の強化を通じて、集団的自衛権を認められた。東南アジアに対する影響力も急速に拡大した。力を増強したから、中国との関係改善を模索しても対等に交渉できる時が来たと判断した可能性もある。安倍首相とプーチン大統領の12月の会談はさらに敏感な問題だ。 米国内で「公敵」(public enemy)とされるプーチン大統領を、安倍首相は故郷に招待するという。中身のある合意が出るかどうかは予断できないが、中国とロシアに向けた日本の積極的ジェスチャーは、米国の次期政権に対するテコになり得る。安倍政権の外交の動きは実にクレバーなものだ。

 北朝鮮の相次ぐ核実験も、結局は米国の次期政府との交渉を念頭に置いた布石だ。退任を控えたオバマ政権よりも、次期政権に向けて事態をさらに悪化させることで対応するというものだ。相手を力でねじ伏せようとする強圧的戦略という点が異なるだけだ。

 朴槿恵(パククネ)政権が来年にどう備えているのかは分からない。「リンチピン(核心軸)のような」、「光漏らさぬ」などのように、韓米同盟を飾り立てる新たな修飾語を見つけて外交成果を上げたかのように広報することは、もうやめてほしい。

ワシントン/イ・ヨンイン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

最終更新:9/23(金) 7:33

ハンギョレ新聞