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【コラム】日銀の新たな実験に違和感、時期不適切か-エラリアン

Bloomberg 9月23日(金)8時26分配信

日本銀行は21日、特定の金利水準を目標とする計画を発表し、政策面のサプライズをもたらした。私の考えでは、日銀は現在の局面ではかつての慎重姿勢に一段と近いスタンスを維持した方がずっと良かったのではないだろうか。

過去を振り返ると、日銀は金融政策の実験の最前線にあったわけではない。これは前総裁の白川方明氏が率いていた時の日銀に当てはまる。白川氏は積極的な新機軸に追い込まれるのにあらがい、その課題にもっと適した手段を備えた他の政策当局に責務を負わせるよう努めた。

だが2013年3月、アジア開発銀行(ADB)総裁だった黒田東彦氏が白川氏の後任として日銀総裁に就任すると事態は一変した。失われた20年への苦慮とデフレ悪化のリスクへの憂慮の下、安倍晋三首相の政治的人気を追い風として、黒田総裁は積極的に政策の新機軸を打ち出した。残念ながら、期待されたほどの成果は上がっていない。

これまでの政策効果についての総括的な検証を通じて一歩引くのではなく、日銀はさらに踏み込んだ形だ。日本国債10年物の利回りを特定の水準で推移させることが新たな措置に盛り込まれた。この結果、想像を絶するとは言えないものの、以前はあり得なかった直接的な金融コントロールの手段を使うことになる。新興諸国に先進国が繰り返してきた勧告に反する動きだ。

日銀は確かに、手詰まり状態にはないことを証明した。しかし、重要なのは政策の有効性を取り戻すことができるかどうかであり、初期の兆候を見る限り心強いものとは言い難い。

現状は、日銀が多くの予想に反してマイナス金利政策を導入した今年初めの状況に似ている。これまでの動向からは、日銀の政策は効果がなかっただけでなく、逆効果でもある可能性がうかがわれる。例えば円相場を見てみよう。日本の当局者が輸出促進と、輸入品に代わって国内製品への需要拡大につなげたい円安は、当初こそ実現したものの、その後は円高に転じた。この状態が続けば、株式市場は売りを浴びるケースが多くなり、21日の上昇分も帳消しになる。

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最終更新:9月23日(金)8時26分

Bloomberg