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全国の銀行、銀行預金と貸出金は増加継続も 金利低下の影響で利ざやは縮小傾向

MONEYzine 9/24(土) 14:00配信

 全国銀行協会が9月7日に発表した「全国銀行 預金・貸出金速報」によると、全国の銀行の8月末の預金残高は、前月末比で1兆422億円(0.2%)増加した。前年同月末比では31兆6,253億円(4.9%)増加し、119カ月連続で前年同月末を上回った。一方、8月末時点の貸出金については、前月末比で5,062億円(0.1%)増加、前年同月末比で10兆1,854億円(2.2%)増加し、60カ月連続で前年同月末を上回った。

 発表された数値をみると銀行の経営は順調にみえるが、収益環境は厳しいようだ。東京商工リサーチは114の銀行の、2016年3月期決算をもとに「総資金利ざや」を調査し、その結果を9月12日に発表した。

 銀行は預金などで集めた資金をもとに貸し出したり、有価証券などで運用したりして利益を得ている。「総資金利ざや」はその収益状況を示す数値で、貸し出しや運用で得る利回りから、預金など運用資金の調達金利を引いて計算する。「総資金利ざや」の数値がプラスだと収益を得ており、その値が大きいほど収益力が強いことを示している。マイナスの場合は「逆ざや」と呼ばれ、貸し出しや運用で利益を得ていないことを意味している。

 発表によると、銀行114行の2016年3月期での「総資金利ざや」の中央値(全データを昇順または降順に並べた際に真ん中に位置する値)は、前年同期比で横ばいの0.17%だった。過去の推移をみると、調査開始した2009年は0.29%で、2010年が0.27%、2011年が0.26%、2012年が0.24%、2013年が0.21%、2014年が0.20%、2015年が0.17%と低下を続けてきたが、2016年は低下ペースが一段落した。これは投資信託の配当増や保有投信の解約益など、有価証券利回りの改善が寄与したもので、銀行の本業である貸し出しの利ざや改善を示すものではないと同社は指摘している。

 「総資金利ざや」の推移を個別にみると、114行のうち前年同期比で縮小したのは55.2%にあたる63行で、前年同期より拡大したのは34.2%にあたる39行だった。利ざやがマイナスになる「逆ざや」だったのは12行で、前年同期より1行増加した。「逆ざや」だった銀行の内訳は、大手銀行が3行、地銀が6行、第2地銀が3行。また、過去の推移をみると、2009年が4行、2010年が1行、2011年が2行、2012年が8行、2013年が12行、2014年が8行、2015年が11行だった。

 日銀がマイナス金利を導入したのが2月だったため、2016年3月期では影響が限定的だった。しかし、2017年3月期はマイナス金利の影響を大きく受けるため、収益が圧迫される可能性がある。預金や貸出金は増加傾向にあっても、金利低下の影響や銀行間の貸出競争の激化により、銀行の本業収益は厳しい状況がしばらく続きそうだ。

最終更新:9/24(土) 14:00

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