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変わる渋谷、進化する渋谷――イノベーションと交通の『ハブ』になれるのか

ZUU online 9/24(土) 6:10配信

時代の変遷とともに、都市も刻々と変化しています。常に最先端を行く発信地であり、日本有数のクロス・オーバーステーションでもある東京・渋谷はその筆頭でしょう。

交通面では副都心線の開業や東急東横線との相互直通運転が始まり、駅周辺では大規模再開発も進んでいます。一方、渋谷ヒカリエの開業などとともに、スタートアップ企業が再び渋谷に集まるようになり、ビジネスも活性化しています。
そこで今回は次世代に向けて進化を続ける渋谷の動きを紹介しましょう。

■交通の変化

9路線を抱える国内有数のターミナル駅・渋谷。近年起こった大きな変化と言えば、2013年3月の「東急東横線の地下化」と「東横線・副都心線の相互直通運転の開始」でしょう。

地上にあった東急東横線ホームを地下に移動させ、渋谷駅から隣の代官山駅までの間を地下化するという工事は、世紀の大工事として注目を集めました。

そして、東急東横線と東京メトロ副都心線との直通運転です。当時すでに東武東上線・西武池袋線と直通運転していた副都心線と、横浜高速鉄道みなとみらい線(横浜駅~元町・中華街駅)と一体化している東急東横線を合わせて、全国でも珍しい5社の相互乗り入れとなりました。これによって、東京、神奈川、埼玉の1都2県を縦断する直通電車が誕生し、より広い地域から渋谷を訪れる人が増えることになりました。商業施設にとっては、より多くの顧客層からの集客が可能となったことを意味します。

さらに2019年度には、相模鉄道・相鉄線と東急東横線・目黒線を結ぶ新線「相鉄・東急直通線」の開通が予定されています。これが実現すれば、神奈川県央部や横浜市西部から東京都心へのアクセスが大きく向上し、渋谷を訪れる人の数はさらに増えることでしょう。

■企業の動きの変化

再開発と併せて街の姿も「商業の街」から、スタートアップ企業が集結する「クリエイティブ産業の街」へと変化しつつあります。

1990年代後半の渋谷は、IT・ネット関連のベンチャー企業が集まる場所でした。ITバブル期絶頂の頃で、シリコンバレーになぞらえて「ビットバレー」と呼ばれました。ところが、2000年代に入るとITバブルが崩壊。2003年に六本木ヒルズがオープンすると楽天やライブドアなどの移転が相次ぎ、そのムーブメントは下火になります。

状況が変わったのは、2012年の渋谷ヒカリエ開業でしょう。ディー・エヌ・エーやLINEなどの有力ベンチャー企業が入居したことで注目が集まり、同時に、こうした企業と取引のある企業が次々と周辺に集まったことで、IT企業の再集積が加速したのです。

加えて、渋谷には大小数多くのコワーキングスペースが存在します。IT関連ワーカーやスモールカンパニーがスペースや設備を共有する場所が多数あり、起業を考える人々、さまざまな働き方を求める人々が活動しやすい地域になっています。もともとアクセスの良い土地ですから、そうしたビジネスに携わる人にとってはより魅力のある場所になっているのです。

■ベンチャーを支援する動き続々と

株式会社ツクルバが手掛ける会員制シェアードワークプレイス「co-ba shibuya(コーバ シブヤ)」もその一つでしょう。利用者同士が本棚を共有する「シェアライブラリー」を設置して、本を通じたコミュニケーションを促進し、新たなコラボレーションを作り出すなどの新しい動きは、ビジネスを進めるに当たり、有効に作用するでしょう。ツクルバでは「co-ba」を事業として展開し、全国で開設支援を行ってワーキングプレイスのネットワークを広げています。

また、ツクルバでは、ベンチャー・スタートアップを応援するプラットフォームイベント「sprout」を渋谷で開催しています。これは、日本IBMと、ベンチャー企業の上場を支援するトーマツベンチャーサポートとの3社共同主催で、渋谷でファンを獲得するためのピッチイベントとして企画・運営されています。融資や事業提携を目的とするスタートアップ関連イベントが多い中で、製品やサービスを発表して、その企業の「ファン」の獲得を目的とした珍しいイベントです。このイベントも、アーリーアダプターの集まる渋谷に着目しているからこそ、渋谷で開催するのであり、IT企業やスタートアップの集積地として存在感を高めている動きを裏付けるものになっています。

“渋谷の大家”とも呼ばれる東京急行電鉄は、ベンチャーキャピタル事業を手掛けるIMJ Investment Partners Pte. Ltd.と共同で、ベンチャー企業との事業共創プログラムを実施しています。法人設立から約5年以内のベンチャー企業を対象としたビジネスコンテストで、交通やIoT・スマートホーム、観光・インバウンドなどの6つの事業領域を中心に、沿線の生活利便性を高めるサービスやプロダクトを募集するものです。また東急電鉄では、sproutのようなイベントに場所を無償提供するといった活動も行っており、ベンチャー支援に力を入れています。

開発の続く渋谷の街では、交通網の発展を契機に、人々がどのように交わり、新しいビジネスが生み出されていくのでしょうか。期待が大きく高まっています。(提供:TATE-MAGA)

最終更新:9/24(土) 6:10

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