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グッズ仲間をネットで募集! オタク女子の「共同購入」とは?

ITmedia Mobile 9/24(土) 6:10配信

 町を歩いていると、いわゆる「オタク趣味」を持つ女性をよく見かけます。ここではあえて、分かりやすく「オタク女子」と呼ばせてください。なぜ、アニメやゲームの流行に疎い私でも、彼女たちがオタク女子だと見分けられるのか。

【画像】女性オタクの痛バッグ

 それは、バッグにものすごい数のキャラグッズを付けて歩いているからです。キャラクターの缶バッジやキーホルダーをたくさん飾ったバッグを持っている人を、1度は見かけたことがないでしょうか。

●連載:おしり元気のインターネットふしぎ発見

ライターおしり元気が見つけたネットやITにまつわる不思議で面白い世界を紹介していきます。

●ライター:おしり元気

歯科衛生士の学校に行っています。その様子をブログに書いています。出先でまんじゅうやアイスを食べるのが好き。ブログ「潰れそうな会社に勤めながら歯科衛生士を目指すブログ」、Twitter:@oshiri_genki

 中には、全く同じグッズが何十個も連なっている場合も。これは、好きなキャラクターのグッズを猛烈にバッグに飾りつける愛情表現、通称「痛バッグ」と呼ばれるものらしいのですが、気になるのはそのグッズ収集力。どうやら単純に購入しているだけではなさそうなのです。

 アニメやゲームのキャラグッズは、「全キャラセット」や、「中身が見えない」方式で売られている場合も多く、好きなキャラクターだけを集めたい人にとっては厳しいシステム。

 セット購入だと単価も上がってしまうけど、お財布事情は大丈夫? 全キャラセットで購入したら、余ったキャラはどうするの? 中身が見えなくて、好きじゃないキャラクターが出たらどうするの?

 そんな疑問からオタク女子のグッズ事情をのぞいてみたら、「オタク」のイメージとは正反対の、アクティブな女性たちの姿が見えてきました。

●共同購入で、プリンスと引き換えにプリンスを手に入れよう!

 「うたの☆プリンスさまっ♪」という大人気ゲーム&アニメがあります。通称「うたプリ」と呼ばれるこの作品は、アイドルを目指す男性キャラクター(プリンス)がたくさん出てくるもので、見渡す限りの美男子、美男子、美男子……!

 ゲーム自体をやったことはないのですが、公式Webサイトのキャラ紹介を眺めながら、「この人たち、こんなにきれいなのに、俳優でもモデルでもなく、アイドルになりたいんだ……!」と思うと、なんだかキュンとしてしまいました。すごく応援したくなりますね。顔だけなら聖川真斗が好みだなと思いました。

 話はそれましたが、もちろん、それぞれのキャラクターにファンがいます。ファンは目当てのプリンスのグッズだけが欲しいのですが、このようなキャラクターグッズには、前述した「全キャラセット」や、「中身が見えない」方式での販売も多くあります。そういった場合に行われるのが「共同購入」です。

 これは、Twitterなどで共同購入者を募り、その人とお金を出しあうことで、安価に目当てのキャラクターだけを手に入れるという方法。送料を節約する目的でも行われているようです。

 その際は「募集枠→〇〇(キャラ名)」「譲→〇〇(キャラ名)」のように記載することで、自分と好きなキャラクターがかぶらない人を探します。そうすることで、それぞれが好きなキャラクターを安く入手でき、win-winの関係になります。

 「那月(うたプリのキャラクター)100個譲ります!」というツイートを見かけたときは、さすがに「那月かわいそうじゃない……?」と思ってしまいましたが。

 希望者が見つかるとダイレクトメッセージでやり取りし、「定価+送料」で配送するケースが多いです。また、購入後に余ったキャラだけを提供するパターンと、購入前に共同購入者を募集しておいて、ある程度人数が集まってから購入するパターンもあります。

 前者は勇敢ですが、購入者が現れないというリスクがありますね。後者は慎重ですが、人数が集まらなければ購入を見送らなくてはならないことも。

 このような共同購入の文化は、うたプリに限らず、「黒子のバスケ」「ハイキュー!!」などのファンや、ジャニーズ、韓流アイドルファンなど、さまざまな場所で行われています。もちろん、女性に限ったことではありませんが、不思議と女性向けコンテンツで多く見られる光景です。

 同じ趣味を持つ者同士が協力しあってグッズを手に入れる姿、「これぞ仲間」という感じがして、私はとても好きです。

●女同士の安心感? 知らない人でも手渡しで交換OK

 なんと、オタク女子の間では対面でのグッズ交換も盛んに行われています。こちらも共同購入と同じく、Twitterなどに「譲→〇〇(グッズ名) 求→〇〇(グッズ名)」と記載して、指定した条件での交換希望者を探すという方法です。

 もちろん郵送でやりとりする場合もあるのですが、「手渡し」と書かれていることも多いのです。交換場所はターミナル駅やイベント会場などさまざまですが、詳細はDMでやり取りします。

 「検索からでもお気軽にどうぞ」という文言をよく見かけ、SNS上のフォロー関係がなくても取引OKな様子。また、アカウント名に「交換垢」と書いている、つまり「グッズ交換専用のアカウント」である場合も多く、グッズ交換が頻繁に行われていることを物語っています。

 実際に会うことに不安はないのでしょうか。少し心配ではありますが、女性向けコンテンツであれば相手も女性の場合が多く、同じ作品が好きなファン同士であれば不安は少ないのかもしれません。ある意味仲間同士ですから、気が合えばそのまま友達になるパターンもありそうですね。

●痛バッグは愛情表現? 同じグッズがいくつも必要な理由

 最初に紹介した「痛バッグ」。これは、もととなるバッグに、好きなキャラのグッズを猛烈に取りつけたものです。全く同じグッズを何十個もつけている人が多く、好きなキャラクターのグッズであれば「ダブり」という概念はないというのが分かります。

 痛バッグは「痛バ」とも呼ばれ、Twitter上で検索すると、たくさんのオタク女子たちが自慢の痛バッグの写真をアップしています。見てみると、取りつけたグッズが傷つかないよう、バッグの上から透明のビニールバッグをかぶせて工夫する人や、透明な窓やカバーが付いた「痛バッグ用バッグ」を使用している人が多く、キャラクターへの愛を感じます。

 グッズの値段を調べてみると、缶バッジは1つ400円程度、キーホルダーは800円程度するものが多く、缶バッジを10個付けたらそれだけで4000円。キーホルダーを10個付けたら8000円です。

 ということは、町で見かける生地が見えなくなるくらいグッズを付けている人の痛バッグって……ちょっとしたブランドバッグくらいの金額がかかっていませんか……? す、すごい!

 中には、「持ち歩くのはできないけど、作って家に飾っている」という人もいます。痛バッグは、使わなくても作りたくなるもの、つまり、あふれ出るキャラへの愛情そのものなのかもしれません。

●オタク女子の行動力とキャラへの愛情に、もうクラクラ

 オタク女子たちは、SNSを活用して愛するキャラクターのグッズを集めていることが分かりました。彼女たちは、共同購入者を募ったり、実際に会って交換したりと、とってもアクティブ。

 オタクと聞くと、なんだかインドアなイメージを持ってしまいがちです。でも、オタク女子のグッズ事情をのぞいてみたら、イメージとは正反対の行動的な女性たちの姿が見えてきました。

 あふれ出るキャラへの愛が痛バッグという形になって表れる様子は、すごくストレートで、カッコいいですね。これから、町で痛バッグを見かけたら、なんだかまぶしく見えそうです。

最終更新:9/24(土) 6:10

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