ここから本文です

なぜ、IT技術者にはメンタル不調が多いのか?

ITmedia エンタープライズ 9/24(土) 10:34配信

●心が折れる職場、10の特徴

 書店で偶然手にした「心が折れる職場」という書籍を読みました。本書の帯には、そんな職場の10の特徴が出ています。

【画像】心が折れやすい職場の特徴を見てみると

・仕事の帰りの「ちょっと一杯行こうか?」がない
・上司は社内エリート、出世頭だ
・ほとんどの人が「泣いていない」
・論理的思考が何よりも重視される
・周囲には「仕事だけ人間」が多い
・飲み会はいつも"打ち合わせ風"あるいは仕事の話になる
・上司が「ホウ・レン・ソウ」に厳格だ
・異動や担当替えが煩雑に行われる
・1人でトラブル対処にあたることが多い
・若手を叱ることも、褒めることもない

 全てに同意はしかねますが、自分の行動特性を振り返って、心が折れやすい職場の特徴に合致することが多く、いろいろと考えさせられるものがありました。

 他方、日本にはなじまないかもしれませんが、環境の整備だけでなく、「自らの思考や行動が世の中に変化をもたらす」という行動哲学を持つことで解決できるケースもあるのではないかと感じています。

●なぜIT関連技術者には不調が多いのか

 IT方面で仕事する立場の人間として、気になったことを紹介しましょう。本書によると、SEが心に問題を抱える理由が、実は長時間労働などによるストレスではなく、「自分のスキルが業務で求められる技術水準にまで達していないこと」に起因するというのです。このようなケースは非常に多いということでした。

 さらに、「なぜIT関連技術者には不調が多いのか」という章においても、120時間の残業が3カ月続く状況であっても、業務に必要なスキルを持ち合わせている人であれば不調に陥る人は少ないといいます。現在の“単に労働時間だけでメンタル問題を考える”ことへの問題提起になり得る事象を紹介するとともに、あらためてスキル不足を主要因とする主張が繰り返されているのです。

●「心が折れやすい職種」で働いていることへの認識と対処

 「不調になりやすい職業、なりにくい職業という」という章では、世の中には一定の範囲内で技術を取得すれば、その範囲内で働き続けられる業務もあり、このような仕事に従事している人は、「スキル不足を原因とした不調は起きにくい」としています。

 これに対し、ITは進化が速くて、いくら勉強してもなかなか追いつくことができない分野です。さまざまな要因による競争激化、はては仕事のセンスの有無など、続けることのハードルが高くなる一方の職場といえるでしょう。

 65歳以上になっても働くことが当然な社会になりつつある現在、テクノロジー業界に身を置く人たちは、ピーターの法則による無能化だけでなく、「心が折れやすい職種」で働いていることを認識し、自分なりの身の処し方を講じていく必要がありそうです。

最終更新:9/24(土) 13:42

ITmedia エンタープライズ