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備えあれば憂いなし 離婚時の「財産分与」の考え方とは?

ZUU online 9/24(土) 17:10配信

実に3分の1強の割合の夫婦が、離婚の道を選んでいると聞いてあなたはどう思うだろうか。厚生労働省がこの度発表した人口動態調査によると、昨年2015年度の婚姻件数は、前年比8593組減の63万5156組。離婚件数は、前年比4108組増の22万6215組であった。

単純にいって、婚姻した件数に対して、実に3分の1強の割合の夫婦が、離婚の道を選んでいる。この結果をどう受け止めるかは個々人によるが、数字だけを考えるのであれば、離婚はどのような夫婦にも起こりうる可能性がある。

また、初婚年齢は徐々に上がっており、これも2015年度の人口動態調査によると、男性は31.1歳、女性は29歳となっている。

ある程度の年齢で結婚するということは、夫と妻の双方が婚姻時において、すでにそれなりの社会的なポジションを築いていることも十分にありえる。結婚後に積み重ねる資産は、双方の収入などを鑑みると、それなりに大きいものになる可能性が高い。

気になるのは、離婚する場合、婚姻期間に得た資産をどう配分するのか、それぞれの老後に直結する問題になる。いわゆる「財産分与」のはなしだ。妻を持つ夫、夫を持つ妻であれば(現在の仲はさておき)、誰しも知っておくべき離婚時の「財産分与」についての原則・ルールを確認していこう。

■財産分与の原則とは

離婚時の財産分与には重要な原則がある。それは分与する「財産」の対象は、婚姻関係中に築いたものに限るということである。それぞれが独身時代に蓄えた資産は各々の「特有財産」とみなされ、財産分与の対象とはならない。逆に、婚姻中の貯蓄や取得した資産は、所有者の名義に関わらず夫婦共有の財産とみなされ、財産分与の対象となるのである。ただし、相続など、夫婦間の協力によらないで得た財産は分与の対象とはならない。

■財産分与は「婚姻期間中」に得た資産が対象

先に述べた通り、財産分与の対象は婚姻期間中に得た資産である。これらは必ずしも単純な金銭には限らないので、例えば自動車や不動産、家具や家財などといったモノも当然に含まれる。財産分与においては、これらをすべて集約し、金銭的な価値を確定させたうえで、夫婦間で折半するのが基本的な考え方だ。

一方で、この通りにいかないケースも少なからずある。例えばすでに挙げた自動車などは、原則的には売却し、そこで得た金額を夫婦間で分けることが望ましいといえる。しかしながら、通例としては夫婦のいずれかが自動車を所有し、所有者側がその分の金額を一方に支払うといった形式がとられていることが多いようだ。また、2台以上の自動車を所有している場合は、金額的には車両の評価が等しくない場合でも、それぞれがより親しんだ車を引き取るケースがほとんどであるという。

分与の対象となる財産であっても、その対象物の背景に応じて、分配の方法は個々に異なってくるといえる。

■財産分与は必ずしも「2分の1」ではない

夫婦共有の財産を折半するという大枠の考え方の中で、個々のモノにより分配方法が異なることは説明したとおりである。しかしながら、財産分与全体に関して、そもそも「折半=2分の1」に従わない考え方もある。

それが「扶養的財産分与」と「慰謝料的財産分与」である。先に述べた「婚姻期間中に築いた資産は、夫婦の協力によるものだから折半する」という考え方は、「清算的財産分与」と呼ばれる最もポピュラーな分与の方法である。

しかし、例えば離婚によって夫婦一方の経済的環境が著しく悪化するような場合は、もう一方の側が生計を補助する必要に迫られ、その分財産を多く拠出することある。これが「扶養的財産分与」である。

また、離婚の原因が不倫などで、夫婦一方に明白な責任がある場合は、財産分与において慰謝料相当の財産をより多く振り分けるという考え方がある。(本来的には、慰謝料は財産分与とは別個に請求するものである)これが「慰謝料的財産分与」といわれるものだ。

財産分与の際には、離婚後のそれぞれの生活の見通しや、そもそもの離婚原因等を十分にふまえ、極力双方が納得する割合を導く必要がある。

■財産分与、割合の決め方は?

では、いざ財産分与を行うとなった場合、どのように割合を決めていけばよいのか。最も望ましいのは、夫婦間で協議し、基本的には「清算的財産分与」の考えに基づいて、公平に財産を分け合うことである。しかし、そう簡単にはいかないのが離婚協議というもので、離婚の原因やそれぞれの財産の背景などをめぐって、当事者間のみではスムーズな着地点に至らないことが多い。

単純に、財産が複数種類あって金額に換算する方法などが複雑であるような場合は、弁護士に算出方法を相談するだけで事足りるケースもある。

しかし、感情のもつれなどで、夫婦間の協議が泥沼化してしまうような場合は、家庭裁判所に離婚調停を依頼し、分配方法の決定を第三者にゆだねることが有効だろう。

■離婚後のできる「財産分与」 請求は2年まで

財産分与は、実は離婚後でも請求できる。本来的には、当然、分与は離婚時に行うことが望ましい。しかしながら、例えば不倫などを「してしまった側」に立てば、中々請求はしづらいというのが人情だろう。「清算的財産分与」の考え方は、離婚原因ではなく婚姻中の資産形成における夫婦間の協力関係に着目するものであるため、離婚の責任を負う側でも請求する権利がある。

ただし、離婚時のいっときの感情で財産分与を請求しないことを決意しても、いざ新しい生活が始まってしまうと家計が成り立たなくなってしまった……。そんな人も実際にいるのである。そういったケースを考えてのことか、財産分与は離婚後も請求可とされているのだ。

しかし、大きな注意点は、その請求も、離婚をしたときから2年以内と決まっていることだ。

何か理由があるからこそ離婚するのであって、その理由が夫婦一方のみの行為に帰するものであることは往々にしてある。そうした場合、責任を作ってしまった側は当然ながら「財産分与」の局面においては弱者となる。

しかし、そのときの感情に流されて財産分与の権利をみすみす放棄してしまうと、後々必要以上に苦しい生活を強いられることがある。自らの財力を十分に直視し、気が引けるようであっても、正当な財産分与を請求することが望ましいだろう。(ZUU online 編集部)

最終更新:9/24(土) 17:10

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