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和綿 寝具店が買い取り支援 布団使い捨て憂い 打ち直し提唱 放棄地再生 富山

日本農業新聞 9/24(土) 7:00配信

 富山県魚津市松倉地区の農家と、富山市内の寝具店が連携し、国内在来種の和綿「弓ケ浜」の収穫が始まった。中山間地域で耕作放棄された田んぼを舞台にした「WATA・HAJIME(わたはじめ)プロジェクト」の一環。鳥獣被害のない和綿を普及して産地化を進め、地域の女性や高齢者を雇用し「集いの場」を提供する。布団の廃棄が増えていることにも着目し、打ち直しに適した和綿を生産することで環境に優しい取り組みを発信する。

 プロジェクトを考案したのは寝具店を経営する大郷卓也さん(43)と、休耕田の活用方法を模索していた農家、稗苗良太さん(30)、史絵さん(33)夫妻。千葉市で和綿を栽培する「蘇(よみがえ)るわたの文化」の取り組みに共感した大郷さんが、知り合いの稗苗さん夫妻に栽培を持ち掛けたのがきっかけだ。2016年度には、県の中山間地域チャレンジ支援事業に採択された。

 稗苗さんらは6月、松倉地区の20アールの休耕田に和綿の苗を定植。順調に生育が進み、綿がはじけるようになり、今月中旬に史絵さんやスタッフが初収穫にこぎ着けた。10アール当たり収量は20~30キロを見込んでいる。大郷さんはこの綿を買い取って布団や座布団に加工し、販売する計画だ。

 プロジェクトの背景にあるのは、「使い捨て文化の浸透で、布団の廃棄量が増えている」(大郷さん)ことに対する懸念だ。

 東京都の清掃組合調べ(12年度)では23区内で1年間に約80万枚、1日約2200枚の布団が捨てられているという。全国で1年間に処分されている布団の量は、中小企業基盤整備機構によると推計7万1202トンと、カーペットやじゅうたん(9万トン)に次いで多い。安価な化学繊維を使った布団を、短期間で使い捨てにしている実態がうかがえる。

 その点、「和綿を使った布団なら、化繊に比べて打ち直しに適している。廃棄削減につながることから、地球に優しい和綿の良さを見つめ直してほしい」と大郷さん。和綿の買い取り価格は今後、検討するという。

 稗苗さんは「農家の高齢化で耕作放棄地が増える中、栽培方法を確立することで和綿を普及し、地域全体の振興につなげたい」と意欲を燃やす。

日本農業新聞

最終更新:9/24(土) 15:01

日本農業新聞