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「遮光器土偶」初出土 北東北で制作 東吾妻・唐堀遺跡

上毛新聞 9/24(土) 6:00配信

 県埋蔵文化財調査事業団は23日、東吾妻町三島の唐堀(からほり)遺跡で、祭祀(さいし)に関連する配石遺構が広がる斜面部から、北東北で制作されたとみられる縄文時代晩期前半(約3000年前)の「遮光器土偶」が県内で初めて出土したと発表した。関東でほとんど見つかっていない本場の遮光器土偶で、当時の地域間交流を示す貴重な発見といえそうだ。

◎3000年前のものか 地域間交流示す発見

 遮光器土偶は目に相当する部分に、サングラスの役割のような大きな表現があるのが特徴。これまで県内の7遺跡で出土しているが、いずれも北東北のものを模倣して群馬県で作られたと考えられている。

 唐堀遺跡で出土したのは土偶の頭部片で、幅10センチ、高さ10センチ、厚さ8センチほど。全長は30センチを超える大型の遮光器土偶と想定され、形状や文様などから、北東北で制作されたとみられる。

 発掘は今夏で、周辺では耳飾りや石棒なども見つかっており、土偶は祭祀に使われたと推定されている。

 遮光器土偶は、亀ケ岡遺跡(青森県)での出土が有名で、一部は国重要文化財の指定を受けている。これまでの発見地域は北東北が中心で、北海道南部から近畿まで出土しているが、関東以西での発見品の多くは現地での模倣とみられ、関東では赤城遺跡(埼玉県鴻巣市)で出土された1点が北東北での制作とされる。

 事業団の岩崎泰一調査部長は「唐堀遺跡に住んでいた縄文人が、遠い北東北地方から土偶を入手できる力や情報網を持っていたと推定される。今後もさらに調査を続けていきたい」と話している。

 唐堀遺跡の発掘調査は2015年9月から、上信自動車道吾妻西バイパス建設に伴って行われた。これまでの調査で、縄文時代後期後半―晩期前半の集落、配石遺構や水場遺構などが発見されている。

 事業団は27日から10月4日まで、渋川市北橘町下箱田の県埋蔵文化財調査センター発掘情報館で、今回出土した遮光器土偶を一般公開する。

最終更新:9/24(土) 6:00

上毛新聞