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韓国の元外交通商部長官「制裁は怠け者の外交手段」

ハンギョレ新聞 9/24(土) 13:22配信

9・19共同声明の立役者ソン・ミンスン元外交通商部長官 「北朝鮮の5回目の核実験と韓国の対応方向」を発表 制裁強化・核武装・THAAD配備について細かく反論 中国が核問題の解決に向けて動き出す名分と環境作りを注文 「米国・中国・北朝鮮の要求をまとめ上げる韓国の戦略作りが必要」 「韓国、破滅を防ぐためには悍ましいことでもあえて選択すべき」と強調

 「制裁は怠け者の外交手段である」

 北東アジアの脱冷戦の青写真と呼ばれた、2005年の6カ国協議における9・19共同声明の立役者であるソン・ミンスン北韓大学院大学総長(元外交通商部長官)が、「北朝鮮の5回目の核実験と韓国の対応方向」(20日、慶南大極東問題研究所「懸案診断」)で、このように強調した。この文は、朴槿恵(パククネ)大統領が22日の首席秘書官会議で「対北朝鮮制裁・圧迫総力戦」を強調したことにより、改めて注目を集めている。ソン元長官はこの文で、朴槿恵政権と保守勢力が一斉に主張している強硬論を厳しく批判し、代案的経路を提示した。

 第一に、「対話のために支援した資金が北朝鮮の核開発資金になっているのであって、北朝鮮が5回に及ぶ核実験を行ったのは対話をしなかったからではない」という朴大統領の発言について、ソン元長官は以下のように分析する。「北朝鮮の核実験は交渉が座礁した際に起きたものだ。2006年10月の1回目の実験は、バンコ・デルタ・アジア(BDA)問題で6カ国協議が1年以上中断された状態で行われた。また、2009年5月の2回目の実験は、北朝鮮が申告した核施設と放射性物質に対する検証議定書問題で2008年末に6カ国協議が再び中断された後に起き、2013年2月の3回目の実験は、米朝2・29合意が軍事ミサイルと衛星打ち上げロケットの定義問題で破棄された状況で起きた。2016年に2回にわたり実験した期間には、交渉が断絶されていた」。元長官は23日「五輪のように、安保にも隠しきれない記録がある」として、「自らの責任には目をつぶり、金大中(キムデジュン)・盧武鉉(ノムヒョン)政権に責任を転嫁しようとする朴大統領の行動は見るに忍びない」と指摘した。

 第二に、「国連安全保障理事会がさらに強力な制裁を導きだせるように最善を尽くし、独自的処置を取ると共に、在韓米軍へのTHAAD(高高度防衛ミサイル)配備も進める」という朴大統領の約束について、ソン元長官は「国連の対北朝鮮制裁は、米国と中国の妥協に基づいており、いつも(北朝鮮が)息をつける空間を残している」として、「制裁万能論」の限界を指摘した。彼は、朴大統領などの言う「北朝鮮体制の崩壊=核問題の解決」の仮説が、「挫折から出てきた希望的思考」だと一蹴した。THAAD問題も「首都圏を北朝鮮の攻撃にさらし、(戦争勃発から)数週間後にようやく釜山(プサン)に入ってくる米軍を保護するためにTHAADが必要だという論理は話にならない」としたうえで、「THAADが配備されれば、中国は国内世論と軍部の反発を抑えるためにも、韓国との友好関係を維持するのが難しくなるだろう」と指摘した。セヌリ党などの核武装論は「米国は、いかなる場合でも、韓国、日本、台湾へと続く核ドミノの可能性を容認できないだろう」として、米国に戦術核兵器の再配備を求めるのは、「『拡大抑止』を原則とする米国の世界核戦略の修正を意味することで、米国の選択肢にはなり得ない」と論駁した。在来型軍備の強化論については、「作戦統制権の移譲が優先されるべきだ」と指摘した。

 第三に、「北朝鮮はもはや核の放棄に向けた対話の場には出てこないだろう」という朴大統領の予言について、まずソン元長官は「韓国が朝鮮半島で主導的な役割を果たし、破滅的な事態を防ぐためには、(たとえ)悍ましいことでも(あえて)選択しなければならない」として、「誰よりも韓国が冷徹になる必要がある」と呼びかけた。さらに、「疾走する北朝鮮の核汽車を(元の位置に)戻すためには、まず停止させなければならない」と前提してから、「まず、北朝鮮の核とミサイル実験を中止させる課題を、中国に担ってもらうべきだ。そのためには、米国と韓国も中国に最小限の名分を与える必要がある。結局、韓国が北東アジアの交渉局面作りに向けて韓米同盟を稼働させなければならない」と勧告した。

イ・ジェフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

最終更新:9/24(土) 13:22

ハンギョレ新聞