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漫才師・おかけんた「京都国際映画祭」アートディレクター就任で蛭子作品を重用

東スポWeb 9/25(日) 17:08配信

「京都上ル上ル」をキャッチコピーに「京都国際映画祭2016 映画もアートもその他もぜんぶ」が、10月13日から16日まで開催される。「ええ声ぇ~」でおなじみのベテラン漫才コンビ「おかけんた・ゆうた」のおかけんた(55)は、今年も同映画祭のアートディレクターという重責を担う。映画祭への意気込みやアートへの目覚めなどについて聞いた。

 ――今年も京都国際映画祭の時期となった

 けんた:オープニングセレモニーは二条城、さらに西本願寺は映画でもアートでも使わせてもらえることになった。まさか世界遺産でできるなんて、去年の今頃は夢にも思いませんでしたね。

 ――3年目となる

 けんた:(京都国際映画祭総合プロデューサーの)奥山和由さんや映画関係者の方とも話してたんですが、吉本はお笑いの会社だから分かりやすいリアルなものを追求していかなアカンな、と。その上で、京都国際映画祭ですので、大阪にはない「京都でやってる」という特色を出さないといけない。

 ――具体例として

 けんた:映画に関していえば、サイレント映画という今年の映画の軸となる部門に「チャップリン特集」を盛り込んだわけです。で、それを西本願寺でやらせてもらうことが実現しました。アートの方は、西本願寺でも普段入ることのできない「伝道院」という所で展示させてもらえるようになりました。

 ――元・立誠小学校では蛭子能収の作品も展示

 けんた:去年から構想はあったんです。タレントとしてはよく見ますけど、若い子らに聞いても「漫画家・蛭子能収」っていうのは知らない。これはもったいないなと思って、話を持っていったら了承いただきました。蛭子さん自身が作った映像を上映したり、ちょっとゲンブツはないんですが「吉本新喜劇やめよっカナ!?キャンペーン」の時に作ってもらったポスターの資料などを展示する予定です。

 ――そもそもアートへの興味はいつから

 けんた:学生のころは図工とか美術とか全く興味なかったんですよ。一番興味ない人間やったくらい(笑い)。

 ――それがまたどうして

 けんた:東京でギャラリーのトークをする時に画廊の方といろいろ話をする機会があって「何でこの画家を推すんか?」「何でこの作品が好きなんか?」とか聞いたんです。皆さんターニングポイントがあったんですけど「じゃ、自分はどうなのか」と考えたんです。

 ――アートのルーツ探し

 けんた:僕、住之江出身なんですけど、子供のころに遊んでた住之江公園って斬新な遊具ばっかりなんですよ。子供のころは気づかなくて、後から人に「アートですね」って言われて気づいたんですけどね。

 ――身近に触れ合っていた

 けんた:それと、子供のころにかかりつけだった耳鼻咽喉科の待合室に絵が飾ってあったんです。東郷青児っていう画家が描いた女性像なんですけど、行ったら目が合うんですよ。行くたびに真正面で目が合うから、そのうち頭下げたり「こんにちは」って話しかけたりするようになってたんです。絵という意識がないんですよね。そこからなんですよ。

 ――行き着いた

 けんた:後で考えてみたら、自分が興味を引かれる作品というのは全部、女性の上半身のポートレートなんですよ。子供のころ、住之江公園で遊んでたり、耳鼻咽喉科の絵にあいさつしてたりと、全く無意識の中で自分はアートと触れ合ってたんです。

 ――ハマりだしたのは

 けんた:「4時ですよーだ」(MBS)が終わるか終わらんかくらいのころに、部屋の模様替えをしまして、色合いがすごい気に入った版画の抽象画を買ったんです。千利休の話で、一輪の花を挿しただけで部屋がパァーッと明るくなる、っていうのあるでしょ? あれと全く同じ現象が自分の中であって、カルチャーショックでした。そこからまた旅が始まりましたね。「一人っ子」ってテーマで個展やらせてもらったり、公募展でグランプリいただいたり。アートプロデュースの仕事が増えだしたのもそのころからですね。

 ――コレクターとしても有名

 けんた:万華鏡集めたりメガネ集めたりね。メガネは仕事で使いますし、年間5、6個買ってましたけど、今は若手にあげてます。新喜劇の松浦真也君とか浅越ゴエ君とか。やっぱり人に夢売る商売やから、いいものかけた方がいいんやけど、若手っていいメガネ買えないんですよ。

 ――「4時ですよーだ」のメンバーとの交流は

 けんた:何年か前に「7時ですよーだ」ってのがあって、久しぶりに全員会いました。楽屋では昔話、しちゃいますね。みんな家庭持ってる中で、僕だけ独身なんでつつかれちゃうんですけど(笑い)。兄さん、姉さん制度もほとんどなくなってきてますけど、キム(木村祐一)とかが「けんたにーやん」って呼んでくれると、みんなでそうやって呼んでた時代に戻った感じがしますね。年いってきたんかな(笑い)。

 ――そういう意味では若手を育てる側の世代になった

 けんた:「芸で売れて芸が熟れる」ってのがありまして。例えば、鉄拳君。芸術を磨いてバーンと売れてますけど、芸人というスキルも絶対に上がってるんですよ。ウチの会社って全部で何千人もタレントがいて、くすぶってる人間がいっぱいいてるんです。そういう無名の芸人にきっかけを作ってあげたいですね。あと知名度のある芸人さんでも、違う形の才能を持ってる方がいっぱいいてるんですよ。

 ――例えば

 けんた:(宮川)花子姉さんは、編み物の才能すごいんです。一時、やめてはったそうなんですけど、僕のプロデュースしたイベントに作品を出してもらったんです。それでまた編み物にハマって、もう趣味の域を超えてるんですね。桂文枝師匠や(村上)ショージ兄さんに絵を描いてもらった時も「また、いつでも作品出すで」と言っていただきました。そういうキッカケを作れたのは僕もうれしいですし、そこから何かとコラボすることで、また新たな化学反応を起こせるかもしれないという面白さもありますね。

 ――改めて映画祭について

 けんた:映画、アートっていうものに全く興味のない人にも足を運んでいただいて「何じゃこりゃ」と思っていただければいい。京都にはいろんな映画祭や芸術祭がありますが、京都国際映画祭がそういったものに足を運ぶきっかけになればいいなと思います。

 ☆おか・けんた 1961年3月28日生まれ、大阪市出身。NSC大阪校1期生。83年、岡八郎に弟子入りし、おかゆうたとコンビを結成。92年に現在のコンビ名「おかけんた・ゆうた」となる。NSC同期生の「ダウンタウン」らとともに、心斎橋筋2丁目劇場で活躍。「ええ声ぇ~」と美声を放つギャグが有名だが、99年には上方漫才大賞を受賞するなど、その漫才センスも秀逸。趣味がアートと語るように芸術に対する造詣が深く、近年は多くのアートイベントの審査員や司会などを務めている。

最終更新:9/25(日) 17:08

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