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「殺してやる」「米国は黙れ」 フィリピンの暴言大統領はなぜ支持されるのか

BuzzFeed Japan 9/25(日) 6:00配信

強硬な発言と言動が注目を集めるフィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領。その型破りな政治手法には、国内外から懸念の声が上がっている。

しかし、フィリピンでは未だ高い支持率を維持している。破天荒なドゥテルテ大統領に支持が集まるのはなぜか。

支持の背景にあるフィリピン独特の事情を整理した。【BuzzFeed Japan / 鈴木貫太郎】

解決しない社会問題

フィリピンでは、社会のあちこちに汚職が蔓延している。一般的な庶民の日常生活にまで悪影響を及ぼすレベルだ。

日本では、警察官に路上で小銭をせびられることはない。だが、フィリピンの都市部では、悪徳警官に因縁をつけられることがしばしばある。

交通違反で捕まっても「現金をくれれば見逃す」と露骨に迫り小銭を稼ぐ警察官もいる。クビになった元警官による犯罪はもはや定番といえる。中には殺人事件や違法麻薬取引に手を染める現職の警官もいる。

汚職がはびこっているのは警察組織だけではない。税関も入国管理局も。「法の下の平等」を保障するはずの司法界でも、賄賂を受け取る判事の噂が絶えない。

政治家は選挙のたびに聞こえのいい政策を掲げるのに、いつまでたっても汚職は無くならない。そんな「変わらぬ現状」に多くのフィリピン人が不満を抱いているのだ。

国民の苛立ち

フィリピンの都市貧困層の実情に詳しい名古屋大学大学院の日下渉准教授は「ドゥテルテ人気には、国家の機能不全に対するフィリピン国民の苛立ちが現れている」と分析する。

フィリピンでは交渉次第で法の規制から見逃してもらえることが多々ある。賄賂を生活の糧にする政府職員もいる。

日下准教授は、「賄賂をもらう政府職員も渡す国民も、そういった腐った国家システムから恩恵を受けてきた部分がある。それに対して、国民がノーと言い始めた」と話す。

国民が腐敗したシステムに苛立つ中、「現状の制度をぶっ壊す」と公言する強面のドゥテルテ大統領が登場した。

そして、ドゥテルテ大統領が推し進める違法麻薬対策は「諸悪の根源との闘い」として象徴的な扱いを受けている(日下准教授)。

人権派や知識層は懸念しているものの、容疑者殺害の急増は「闘いの犠牲」として容認されてしまう。

国民の大半が、悪に立ち向かうドゥテルテ大統領ならば、「腐った社会を変えてくれる」と希望を抱いているからだ。

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最終更新:9/26(月) 9:52

BuzzFeed Japan

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SF作家のモニカ・バーンは、人種、社会そしてジェンダーの型にはまらない登場人物たちが織り成す、豊かな世界を想像しています。このパフォーマンスにおいて、バーンはピラーという登場人物としてホログラムで登場し、人間が宇宙に移住した近未来から、愛と喪失の物語を過去の私たちに向けて発信します。「想像する未来と実際の姿の対比はいつだって面白いのです」とバーンは言います。