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カフェイン含まぬ茶 品種育成が加速 輸出の拡大期待 DNAマーカー開発 農研機構

日本農業新聞 9/25(日) 7:00配信

 カフェインを含まない画期的な茶品種が、近い将来誕生するかもしれない。農研機構・果樹茶業研究部門の研究チームが、カフェインを含まない茶を遺伝子レベルで効率的に選抜できるDNAマーカーを開発し、品種開発が加速している。カフェインの覚醒作用や利尿作用を敬遠して茶を飲まない消費者も多い。茶は多くの国で飲まれるだけに、カフェインレス茶がデビューすれば、輸出拡大の大きな力になりそうだ。

 カフェインを含まない紅茶も販売されているが、製茶工程でカフェインを除去するのが主流で、このときにうま味も損なわれてしまうという。カフェインレスの茶品種は世界のどこにもなく、開発が期待されている。

 鹿児島県枕崎市に拠点を置く同部門茶業研究領域の茶育種ユニットは、2003年にカフェインレスの個体を発見。中国の雲南省から貴州省に分布する茶の近縁野生種の系統を受け継ぐ。カフェインレスの特徴は孫世代にしか現れない劣性の形質であることも分かった。

 劣性のため、遺伝子を受け継ぐ個体かどうかは見た目や成分分析では分からず、孫世代になるまで特性が出てこない。通常の育種では、一世代が種をつけるまで4、5年かかり、孫の世代まで調べるとなると、長い年月がかかっていた。

 早く確実に育種するため、研究チームは、カフェインレス遺伝子を持つ個体を効率的に選抜できるDNAマーカーを開発した。カフェインレス茶品種の育種を加速できるようになった。

 現在、カフェインレスの特徴を持つ個体を育成中で、さらに別品種との交配も進め、育種している。いろいろな茶品種と掛け合わせて、紅茶なども含めた多様なカフェインレス茶を開発していく。世界初のカフェインレス品種開発も現実味を帯びてきた。

 研究担当の荻野暁子主任研究員「夢の話だったカフェインレス品種が、日本で開発できる日が一歩近づいた」と期待する。

日本農業新聞

最終更新:9/25(日) 7:00

日本農業新聞