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介護の担い手確保、急務 「要支援」市町移行まで半年

佐賀新聞 9/25(日) 11:23配信

サービスの低下懸念

 介護保険の制度改定に伴い、「要支援」向けサービスの一部事業が市町村に本格移行する2017年4月まで半年に迫った。全国一律だったサービスが、佐賀県では市町と広域連合の裁量に任されることになる。高齢者を地域で支えて膨らみ続ける介護費を抑える狙いがあり、担い手として住民ボランティアらが期待されているが、思うように確保できていない。サービスの低下や地域格差を招く恐れがあり、態勢づくりが急務になっている。

 制度改正では、要介護度が低い「要支援1、2」向けサービスのうち「訪問介護」と「通所介護」の事業を市町村に移す。県長寿社会課によると、県内では約7400人が対象になる。

 移行には2017年度末まで3年間の猶予期間が設けられているものの、利用者の移行手続きは1年置きのケアプラン作成時に順次行われるため、市町村は17年4月までに事業を始める必要がある。国は早めの移行を促してきたが、県内の全7保険者(4市町、3広域連合)を含む全国の6割超の保険者は「期限」ぎりぎりに移行する予定だ。

 移行に伴い、市町や広域連合は、全国一律だったサービス内容や利用料、人員基準を自らの裁量で決められるようになる。国はサービスの担い手として、従来の介護事業者に加え、住民ボランティアやNPOを想定している。地域の実情に合ったサービスを効率的に提供できるようにして、結果的に介護費の抑制につなげる狙いだが、ほとんどの地域でボランティアら人材の確保に苦労している。

 県内の4市町、3広域連合は移行後も当面、利用者へのサービスを「現行並み」で継続する考えだ。ただ、国は介護費用をさらに抑えるため「要介護1、2」向けサービスの一部も市町村に移す方向で検討している。受け皿になる態勢が整わないと、いずれはサービス縮小や保険料の負担増を強いられる可能性がある。

 自治体の財政力によってサービスの中身に地域格差が生じる恐れや、少ない人員や専門職以外のスタッフによるサービス提供で、質の低下が懸念されてもいる。

 県長寿社会課地域包括ケア推進室の八坂要係長は「このままでは社会で高齢者を支えきれないという危機感を、一人一人に持ってもらうことから始めるしかない」と啓発を続ける姿勢を示す。

最終更新:9/25(日) 11:23

佐賀新聞