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<B型肝炎訴訟>患者男性、安堵と憤り「なんのための給付金」

沖縄タイムス 9/25(日) 15:00配信

 「B型肝炎患者の生活の不安を解消する一つにはなった」。生活保護費をさかのぼって返還請求されたB型肝炎患者の男性(62)=沖縄市=は、市と県の請求算定に誤りがあるとして国が返還請求の取り消しを決定したことに安堵(あんど)の表情。一方で患者救済のための国との和解を「資力の発生」とした市と県に対し「給付金は何のためのものなのか。B型肝炎、訴訟への理解がなさすぎる」と憤った。(中部報道部・赤嶺由紀子)

 男性は30数年前、献血に行き感染を知った。「外からは分かりづらい病気。空気感染や汗でうつるなどの偏見や差別もあった」と振り返る。集団予防接種で注射器の使い回しを放置した国の責任を問う全国B型肝炎訴訟で、国が原告と救済を合意したことを受け、県内で肝炎に悩む患者会をつくる活動に関わるなど勉強を重ねてきた。

 県内の訴訟団に加わり、2013年に和解が成立。和解金を受け取った。一方で、体のだるさで長時間の労働は厳しく、アルバイトなどで仕事をつなぐなど生活は苦しかった。日ごろから体調管理に努めているが、生活保護に頼らざるを得ない時期もあった。

 14年、皮膚がかゆくなったり、だるさがひどくなるなど病状が悪化。慢性肝炎と診断され、国の追加給付金の決定を受けたが、市から生活保護費の返還を請求され、市や県、国に不服を申し立てていた。

 男性は現在、給付金を切り崩しながら、バイトなどで細々と暮らす。今回の決定が、生保を受けている患者の安心につながれば、と願う。「患者はいつ体調が悪化するかと不安を抱えている。生活が苦しい人もいる。福祉行政が問われている」と訴える。

 ことば「B型肝炎訴訟の和解金(給付金)」 集団予防接種での注射器の連続使用で、B型肝炎ウイルスに感染した患者を救済するために国が支払う。未発症の無症候性キャリアを含め病態に応じて50万~3600万円が支払われる。非課税。対象者の認定は裁判上の和解手続きなどで行う。

最終更新:9/25(日) 15:00

沖縄タイムス

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