ここから本文です

ある一家の移住先を探す物語。「移住を決めました。どこかは決めてません」/東京

Webマガジン コロカル 9/25(日) 15:22配信

暮らしを考える旅 わが家の移住について vol.1

コロカルWeb連載【暮らしを考える旅 わが家の移住について】とは?
自分たちの暮らしを自分たちで丁寧につくりたい。そんな思いから移住を決意した一家。移住先を探す旅、そしてその暮らしを、夫婦で交互に綴っていきます。

【写真ギャラリーで見る】ある一家の移住先を探す物語。「移住を決めました。どこかは決めてません」/東京


暮らしを考える旅。津留崎家の移住について

コロカルで『美味しいアルバム』を連載中のフォトグラファー津留崎徹花。地域の暮らしや食、人に触れるうち、移住したいという気持ちが高まり、夫・鎮生と移住を決意。けれど、どこへ移住するかはまだ決まっていません。5歳の娘を連れ、いろいろな土地を巡りながら考えたいという津留崎家の旅がいよいよ始まります。


■無計画な旅のはじまり

5歳になる娘と42歳の妻、同じく42歳の僕と3人家族のわが家。生まれ育った東京を離れ、移住することにしました。

行き先は未定。「移住する」ということは決めたのですが、どこに移住するかはまだ決めていません。移住してからなにをして稼いでいくのか、それも決めていません。

なんとも無計画です。

でも、僕はこの夏、5年半勤めた会社を辞めました。

勤めていた会社ではリノベーションの仕事をしていました。それ以前には、建築家の弟子、自らリノベーションを手がけたカフェバーの経営、地方の隅々まで車で巡る地図の調査員、などなどさまざまな仕事を転々としておりました。会社を辞めて移住を決めたとはいっても、次の仕事が決まっているかというとそれもなく、地方で食べていけるような特別なスキルや免許があるわけでもありません。

妻は一昨年出版社を退職し、フリーランスのフォトグラファーとして仕事をしています。たまに文章も書いてます(コロカルで『美味しいアルバム』という連載をしています)。フリーランスですので、どこでも仕事をできるかもしれませんが、いまのところ東京での仕事がほとんどで、地方での仕事が確約されているわけでもありません。

5歳の娘は平日は保育園、休日は私たちと過ごす生活を楽しんでいます。現在、妻の姉家族と同居していますので、そこの子どもたちと遊ぶのが楽しくてしょうがないようです。休みに家族3人で出かけていても、早く家に戻っていとこたちと遊びたいと言い出す始末です。

そんな僕たちが、移住することを決めました。そして、この夏の終わりに移住先を探す旅に出ようと思います。

移住先を決める旅? なにを悠長なことをと思われるかもしれません。でも、実際にその場所で、日が昇るのを見て、日が沈むのを見なければどこに移住すべきかなんて決められる気がしないのです。

というのも、東京生まれ東京育ちの妻と僕には、地方に深い縁のある土地はありません。そうなると、全国のどこでもが候補地となりえるのです。

そこで、この辺かな? というところを旅して、ここだ! と決めたらいいのではないか。そして、決めた土地で暮らすことでその土地にふさわしい稼ぎ方が見えてくるのではないか。そう考えたのです。

移住というとその先での仕事のことが引っ掛かり、なかなか行動に移せないということをよく耳にします。まずは土地ありき、そして、その土地はこれから決める。こんな移住のかたちがあってもよいのではないでしょうか。

この先どうなるのか、自分たちにもまったく見えていないこの地点から、どこに行きつくのか? 行きついた先でどのような生活をつくり上げるのか? この連載では、そんなことを僕と妻が交互に書きながらお伝えしていきたいと思います。

僕たち夫婦は揃って移住しようというくらいですから、比較的同じ方向を向いているふたりだとは思います。といっても違う人間、男と女。考え方も人生観も違います。そのふたりがお互いに納得できるような移住先を決めることができるのか?お互いの立場から語っていくことで、家族で移住を考えている方の参考になれば幸いです。

■丁寧な暮らしを求めて

さて、本題に戻ります。移住する土地を決める旅に出るといっても、移住先で目指す暮らしがなければ決めようがありません。

例えば、自分たちの食べるものは自給自足できるように、そしていずれはエネルギーも自給できたら。食べものから住まいまで、つくれるものはできるだけ手づくりで、なるべくゴミを出さない生活に。あくまで理想ですが、そんな暮らしをしたいのです。

ではなぜ、こんな生活をしたいと思うようになったのか?東日本大震災、その3か月後の娘の誕生を機に自分たちの暮らしのあり方を見つめ直し、もっと自分たちの暮らしを自分たちで丁寧につくり上げたい、そう思うようになったことがきっかけです。

1/3ページ

最終更新:9/25(日) 15:22

Webマガジン コロカル