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新たな飯舘へ船出 村制60周年で「祭」

福島民報 9/26(月) 10:30配信

 東京電力福島第一原発事故で全村避難している福島県飯舘村の村制施行60周年記念事業「いいたて60祭(さい)」は25日、村交流センター「ふれ愛館」で開かれた。約500人の村民が多彩な企画を楽しみ、来年3月末の一部を除く避難指示解除後の新たな古里づくりへ決意を新たにした。

■「10年後の手紙」を開封

 村と実行委員会の主催。村民が平成18年に家族や友人宛てにしたためた「10年後の手紙」の発送式では、菅野典雄村長が村役場で保管していた1840通の一部を川俣郵便局の林さい子さんに手渡した。
 司会を務めた村出身の女優で「村までい大使」の大内彩加(さいか)さんが自分に宛てた手紙を開封し、「女優になっていますか?」と書いていたことを明かした。
 飯舘中生が作詞した、3番まである唱歌「故郷(ふるさと)」の歌詞の4番が初めて披露された。生徒14人といいたてお母さんコーラスの団員がステージに立ち、参加者全員で1番から4番までを合唱した。古里の情景を浮かべ、涙する人もいた。
 飯舘中の桑折晴生(はるき)さん(2年)は「村民の幸せを願って歌った」と話し、星大和さん(同)は「感動してもらえてうれしかった」と晴れやかだった。菅野村長は「今後も折に触れて歌い、村民の心に明かりをともしたい」と語った。
 4番の歌詞は民報教育福祉事業団の助成金を活用し、飯舘中の全校生徒88人が考案。福島市の詩人伊武トーマさんが助言した。

■「胸がいっぱい」 村民再会喜ぶ

 会場では再会を喜ぶ村民の声が響いた。
 福島市の旧松川小仮設住宅で暮らす佐藤シノブさん(76)は「いとこですら避難先が分からなかった。胸がいっぱいで手を握るのがやっとだった」と目を赤く腫らした。福島市に避難する今野絋基さん(73)は「知り合いに会えて良かった。今日みたいなにぎやかな村に戻ってほしい」と願った。

【飯舘中生が考えた「故郷」4番】
胸に生きる思い出
いつも村を思わん
までいの心めぐりて
わたしたちのふるさと

福島民報社

最終更新:9/26(月) 11:33

福島民報

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