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見せてもらおうか、iRobotの新型の性能とやらを!――「ブラーバジェット 240」を試す(前編)

ITmedia LifeStyle 9/26(月) 15:23配信

 米iRobotのふき掃除ロボット「ブラーバ」に新顔が加わった。「ブラーバジェット240」は、水をスプレーしながら床を掃除するユニークなロボット掃除機。日本を含むアジア市場を意識して開発したというだけあり、随所に新しい工夫がみられる。

水をスプレーした瞬間

 まずはパッケージの内容から。本体のほか、バッテリーと充電器、そして3種類の使い捨てパッド(各3枚)が同梱(どうこん)されている。本体は178(幅)×170(奥行き)×84(高さ)mmと「ルンバ」や従来機の「ブラーバ380j」に比べるとコンパクト。また大きなハンドルが付いて持ち運びが楽になった。

 ルンバのような充電ドックはない。ふき掃除が目的のブラーバはルンバほど頻繁には使わないため、スペースを占有するドックスタイルより、簡単に収納できるほうが便利という判断だろう。その代わり、バッテリーが取り外し可能になり、本体は縦置きも可能になっている。縦置き時のフットプリントはわずか178×84mmなので、洗面台の下などちょっとしたスペースに収納できるのがうれしい。より実際の利用シーンに合わせた変更といえそうだ。

 さっそく水ぶき掃除を試してみる。まず、付属のクリーニングパッドからブルーの「ウェットモップパッド」を取り出し、本体の底面に装着する。上下にガイドがあるので、厚紙の部分がそこに入るよう、横からスライドさせればいい。

 この厚紙部分にはバッドごとに異なる形状の穴が開いていて、ブラーバは装着されたパッドの種類を光センサーで読み取り、動作モードを自動的に切り替える仕組みだ。このため、本体にモード切替ボタンは存在せず、「CLEAN」ボタンのみと非常にシンプルになっている。なお、3種類のパッドと動作モードについてはインタビュー記事に詳しい(→関連記事。

 また、「CLEAN」ボタンを長押しすると「バーチャルウォールモード」が起動する。ルンバを使っている人なら、「バーチャルウォール」という付属品をご存じだろう。赤外線を使って“見えない壁”を作り、ルンバに入ってほしくない場所を教える仕組みだ。そして今回のは、いわば「バーチャルなバーチャルウォール」だ。バーチャルウォールモードを起動すると、ブラーバは最初に置いた場所よりも後ろには進入しない。畳の部屋やペットのエサ皿の置き場所など、ブラーバに入ってほしくないエリアがある場合に便利だ。

●正確無比、床以外に水をかけないスプレー

 バッドを取り付けたら、ハンドルの下にある水タンクに注水する。容量は約100mlと意外と多く入る印象だ。後は掃除してほしい部屋に置いて「CLEAN」ボタンを押すだけ。後は見ている必要もないのだが、観察していると面白い。

 ウェットモップモードの場合、ブラーバはクリーニングヘッドを振動させ、斜めに進んでは戻るという手順で同じ場所を3回ずつふく。ときどき水をスプレーするのだが、そのタイミングは必ず“自分が後退”してから。つまり、その場所には床しかないことを確認しないと水を噴射しない。

 また噴射された水がかかるのは、ブラーバがさっきまでいた四角いエリアのみで、外には一切はみ出さない。例えば床に置き忘れたバッグやスチール製のラックなど、水がかかると困るケースも多いはず。iRobotは、これを実現するためにBMWのワイパーのノズルを設計した会社と協力し、ぴったり四角いエリアにだけ水を噴射できるノズルを開発したという。

 水をスプレーするのは、ホコリなどを浮かせてふき取るため。使い捨てのクリーニングパッドはオムツのように水をたくさん吸収する素材でできており、さらに白い部分には中性洗剤が含まれているそうだ。外側の青い網の部分はファイバー素材になっているため、汚れを削り落とす効果もある(いずれも使い捨てパッドの場合)。

 ブラーバは、床面全体をカバーした後、壁際や椅子の脚まわりなどをていねいに周り、室内をくまなくきれいにした。掃除が終了したと判断すると元の場所に戻って停止。床は、“ぞうきんがけ”をしたのと同様にツルツルとした“足触り”でとても気持ちいい。

●しつこい油汚れも落とす力

 水のスプレーに振動(バイブレーション)機能、そして新開発のクリーニングパッドと、掃除する力が向上したブラーバジェット。その“掃除する力”はどれほどのものか。最後に、油汚れがこびりついたキッチンの床を掃除させてみよう。

 ちなみにこのキッチン、数か月間はふき掃除をしておらず、油汚れにホコリが積もってヒドイ状態だ。自分の体験から言うと、時間の経過した油汚れはしつこく、洗剤を使って男性がゴシゴシやっても苦労するレベルだと思う。

 こうしたしつこい汚れの場合、使い捨ての「ウェットモップパッド」を最も念入りに掃除してくれる「スポットモード」で使用することがオススメだ。ただ今回は、都合でウェットモップパッドがなかったので「ダンプスウィープパッド」を使用した。ダンプスウィープモードは、クリーニングヘッドを振動させるのはウェットモップモードと同じだが、3度ぶきが2度ぶきになり、スプレーする水の量も減る“普段使い用”だ。このため、同じ場所を連続して3回、掃除した。その結果が下の写真だ。

 正直、きれいになったとは言いがたいが、ここまで落とせるとも思っていなかった。ブラーバの場合、人間の腕力と比較できるほどの重さはない。にも関わらず、しつこい油汚れをかなり落とすことができている。床に油とホコリが混じった黒い固まりがいくつも転がっているが、これはすべてブラーバが“こそぎ落とした”のだ。

 改めてブラーバジェットの掃除力に驚くとともに、油汚れから逃れられないキッチンでも時間が経過する前にブラーバジェットを動かすようにすれば、きれいな状態を維持できそう。そんな可能性を感じる実験結果だった。

 後編では、兄弟機「ブラーバ380J」との違いについて触れたい。

最終更新:9/26(月) 16:04

ITmedia LifeStyle